夏の盆栽のお手入れ
夏の盆栽のお手入れ……針金のはずし方
真夏のキブシの盆栽
今回はこちらのキブシの盆栽で紹介します。私が主宰する彩花盆栽教室の2年目の教材です。まだ寒い2月頃に、それぞれの枝に針金を巻いて針金成形をしており、夏に入り形がついたかチェックをします。
根元から生える黄緑色の枝がひこばえ
また、針金をはずす前に根元から新しい太い枝(ひこばえと呼びます)が出ていることもチェックしました。ひこばえを放置しておくと根元に近く若い枝ゆえに生長が早いので、本体の古い方の枝を枯らす可能性が高くなってしまいます。こうしたひこばえは盆栽では元から切って、本体が枯れないようにお手入れします。
針金が巻いてある枝
さて、針金成形の話題に戻りますが、写真のようにそれぞれの枝にアルミニウムの園芸用の針金で成形がされています。
盆栽専用の道具には機能美があると感じます
今日のお手入れに使用する道具です。一番左は針金切りバサミ。文字通り針金を切るためのハサミです。左から二つ目は剪定バサミ。枝や葉を切るためのものです。このハサミで針金を切ると、途端に切れ味が悪くなるので、針金用と分けて使いましょう。右から二つ目はコテ付きピンセット。鉢の中の雑草のお手入れなどに使います。右はやっとこ。盆栽専用のペンチです。針金をはずす時に使います。
針金の一番先をやっとこで挟んではずす
針金をはずす時は写真のように先端をやっとこで挟んで、逆回転ではずします。葉を落とさないように慎重に。
慣れてくると手の動きも早くなります
またはやっとこを使わない場合には指先で針金の先を持ってはずしましょう。針金が太めの場合には少し指先に力を入れましょう。
針金が枝にややくい込んだ溝があります
この枝をはずした理由は、枝先の針金が枝にくい込み
はじめたからです。写真の先端の葉の付け根の下の枝にくい込んだ様子が写っています。このように軽くくい込む程度が、針金をはずすタイミングとしての目安です。
針金を残した枝先
逆に針金をはずさない場合は、写真のように針金の先端を少しはずしたものの、くい込みも見られず、針金がはずれたことで枝が元の位置へ戻ったため今回ははずさず、更に1~2か月様子を見ます。折角針金成形をしたのですから、形が付いていないと残念ですから、しっかりチェックしましょう。
ハサミで切ってはずす方法も
写真は、細かな枝の針金のはずし方です。
針金を逆回転してはずすには枝が込み合っていて
上手く手が入らない場合には写真のように針金切りバサミで切ってはずしましょう。写真のように刃をあてても樹皮をえぐらないように盆栽の針金切りバサミは先端に丸みがあります。
針金をはずした枝と残した枝
左下の枝はもう数か月様子を見るために針金を残した枝。その他の枝は針金をはずしましたが、形もきちんとついていましたので、形成が成功しました。
ひこばえを元から切る
最後に全体のお手入れをします。はじめに気になっていたヒコバエを元から切り、鉢に生えた雑草を抜いて、落ちている枯葉などをお掃除して本日のお手入れは終了です。
夏のお手入れが終了
とてもすっきり。盆栽も少し涼しくなったと感じていることでしょう!
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