保育園からなかなか帰りたがらない!解消法とは?
帰宅するまでに泣かれたり時間がかかったり、親もヘトヘト……
<目次>
「帰りたくない!」にショック……
仕事がようやく終わって急いでお迎えに行き、子どもの笑顔が見たい親にとっては、「まだ遊びたい」という言葉だけでなく「帰りたくない」という言葉を投げかけられることは少なからずショックを覚えるものです。1~2歳の子だったら、その気持ちを大泣きしたり、抱っこしようとすると全身で拒否するという形で表します。「おうちより保育園がいいの?」「私のことがいやなの?」という気持ちがわき上がると同時に、子どもをスムーズに連れて帰れないことに対して、先生方や他の保護者にその状況をどう見られているのか気になったり、その時の対応や家庭での育児の様子を問われているような気持ちに陥ることもあります。帰りたがらない心理:家やパパママが嫌なのではない
まず、お子さんが帰りたがらないのは、おうちや迎えに来たお母さん、お父さんがいやだからではありません。どんなに小さな子でも、家庭以外の環境で長時間過ごすことには、楽しい時間の中にも多くの緊張を伴っています。朝から続いてきた緊張が、お迎えに来た人を見てフッと緩んだときに、駄々をこねるという形で現れることがあります。安心できる相手だからこそ、オン状態がオフ状態に切り替わって、自分でも理由がよく分からないまま、泣いたりグズグズしたりしてなかなか帰らないという状況を生み出してしまうことがあるのです。保護者と子どものリズムのすれ違い
そして、やはり、1日保育園で過ごした子どもと、1日仕事をしてきたお母さんやお父さんとの間には、リズムや状況のとらえ方にすれ違いが存在します。早く家に帰ってやるべきことをこなさなければと、お迎えに行けた時点でホッとしながらもやるべきことが次々控えている親。対照的に、子どもにとってのその時間は、1日のクールダウンが必要な時間です。どうしてもズレが出てきてしまい、思ったようなコミュニケーションが取れないという形で現れてしまうのです。目に見える形で区切りをつける
先生に許可をもらい、しばらくお部屋や園庭で、それまで子どもたちがしていた遊びを見守ってみたり、さりげなく加わってみたりしましょう。そして適当なタイミングを見計らって、「手を洗ってお帰りの準備をしよう!」「○○ちゃんのお母さんもお迎えに来たから一緒に帰ろう」「おなかがすいたね。おうちに帰ってご飯を食べたいね」などと、自然に場面を切り替えられるような声がけもしてみましょう。また、もっとはっきり目に見える形で区切りをつけるのも有効です。例えば……
・携帯電話やスマートフォンのアラーム機能を利用して、「音やメロディーが鳴ったら帰ろう」と約束をする
・回数を数えられれば、「あと〇回滑り台をやったらおしまい」「お庭をあと〇周走ったらおしまい」と約束する
・時計が理解できれば、「長い針が○のところまで来たら帰ろう」と約束する
きっと、皆さんの発想次第で、色々なバリエーションがあることでしょう。何か約束事を設定するという手続きでワンクッション置かれることは、子どもの気持ちの切り替えに役立ちます。
限られた時間でクールダウンを
園生活→自宅の間に、クールダウンの時間を設けてみてもよいでしょう。お迎え時間が遅い場合には難しいかもしれませんが、少しだけ遠回りになったとしても何か1つ、ここを通ると楽しい、発見があると思えるような道のりを見つけ、帰り道の定番にするのもおすすめです。帰宅後も明日に備えて時間との戦いではありますが、10分~20分、1日の園生活を振り返るような言葉がけをしたり、ゆっくりお風呂に入ってお話したり、絵本を読んだりして、家事の手を止めて共有できる時間も作ってみてください。食事に関しても、休みの日に夕飯を作り置きしたり、出来合いのお惣菜にひと手間加えてバリエーションを増やしたりなど、頑張りすぎないようにしたいものです。少しでも時間に余裕が生まれることで、自分だけに向かっている親の気持ちをはっきりとした形で実感できることは、1日のクールダウンになります。
「寄り添うこと=言いなり」ではありません
あしたも楽しくすごせるといいね。
あれやこれやと手を焼かなくてもビシッと言って親の言うことを聞かせる、という関係ももちろん大切ですが、そういったいわば「主従関係」だけでは子育てには対応できないと感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。スムーズに動いてくれない子どもの気持ちの背景を少し想像し、寄り添って、気持ちの方向転換の糸口を探ることは、決して子どもの言いなりになっているということではありません。
日々の生活の中で、子どもがそのときにやっていることを止めさせて、次の行動に切り替えさせなければならない場面がたくさんあり、お母さんやお父さんたちは、日々試行錯誤されていると思います。その試行錯誤そのものが、親子といえども別の人間である我が子との信頼関係、子どもの成長につれて形を変えていく様々なコミュニケーションの土台に確実になっています。
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