英語力が活躍のカギを握る?
そうすると、いよいよ語学力の優位性が、待ったなしで襲い掛かってきます。たとえば現在の英語人口15億人が、一気に30億人になる可能性を秘めています。実際、インドやフィリピンは英語が公用語です。
韓国人は通貨危機を経て強烈な危機感があるため、大学生ですでに英語はペラペラです。
中国人もエリート層は英語が必須です。彼らは英語力が稼ぎにつながることを知っているから、猛烈に勉強するのです。
すると、1億人しか使わない日本語というのは、マイナーなローカル言語となり、いよいよ英語をモノにしなければヤバイわけです。
なぜなら、中国企業や韓国企業、インド企業との取引や商談が普通になるわけですし、そうした企業に勤めることも当たり前になるかもしれないからです。
そして、彼らが同僚として、机を並べて一緒に仕事をするようになる。もちろん、就職や転職の採用面接でも、彼らがライバルになる。
当然ながら、英語力の有無が、今まで以上に人生の選択肢の幅を決める要素になる。つまり、英語ができるだけで、活躍のチャンスが比べものにならないくらい広がるということです。
これは、来るべき電子出版の時代にも言えることです。
最大1億人にしか流通しない日本語コンテンツよりも、英語コンテンツの方がマーケットは格段に大きいですから、売れれば海外での活躍のチャンスが広がります。
もちろん、そのぶん競合も多いわけですが・・・。
受容力は謙虚さの証
そして、異文化を受け入れる「受容力」が求められます。総合的な国力という意味では、中国はすでに日本を抜いていますし、まもなくインドにも抜かれるでしょう。人口が3億人に迫ろうしているインドネシアにも抜かれるかもしれません。
そうなったとき、かつてのイメージで格下扱いしたり、「○○人はこういうもの」という先入観や固定観念にとらわれたりしていたら、日本はますます世界から無視される存在になります。
謙虚に彼らの価値観を学ぶ、思想を学ぶ。彼らが日本を学ぶべきだ、という高飛車な発想ではなく、こちらから彼らに歩み寄ることが必要です。
しかし、歴史的背景などから、感情的にはそう思えない人も多いのではないでしょうか。
そこで、簡単にできることは、その国で発行された書籍や論文などの文献を読んでみることです。日本語でも出版されているものがありますから、まずはそういったものに触れてみる。
そして、日本との違いを意識して読み取ってみる。
そうやって、少しずつ自分たちにない価値観を受け入れる練習をしておきましょう。
それが、国籍や国境が意味を成さなくなる「グローバル3.0」時代に生き残るための、事前準備になるのではないでしょうか。