いよいよ「グローバル2.0」の時代になったということを。
かつてより、グローバル化ということは言われていました。しかしそれは、グローバル1.0の時代のことです。つまり、欧米諸国や日本など、先進国間でのグローバル化が進んだだけであり、本当のグローバル化とは言えません。
しかし、グローバル2.0の時代は、アジアやアフリカ、中南米など、急成長する新興国が入り乱れた、世界規模でのグローバル化が進むことを意味しています。
世界に羽ばたく日本人以外のアジア人
そもそもの仮説の発端は、「お金の才能」(かんき出版)にも書いたとおり、猛烈に働くアジア人ビジネスマンとの交流がきっかけです。そして、日本国内におけるアジア人の増加にありました。2007年末、私が秋葉原にビジヴォというスクールを開校したとき、最寄り駅にあるヨドバシAkibaの店内には、中国語の看板、中国語のアナウンスが流れていました。当時から秋葉原は、中国人観光客の定番コースでした。
本業の不動産取引では、銀座や恵比寿、六本木などの一等地で、中国人やロシア人投資家が不動産を買っており、存在感が強くなっていました。
講演で行脚した福岡、名古屋、大阪、札幌では、中国人、韓国人が当たり前のように街を歩いていました。
私の会社がある表参道では、中国人や韓国人はもう珍しくなく、インド人やアラブ人が急増しています。
先日ニューヨークに行ったときに感じたのは、聞きしに勝る人種のるつぼだということです。
ハーレムから地下鉄でウォール街まで乗り、反対にハーレムまで歩くと、アメリカが人種の混合国家であることを痛感します(といっても、あの人はどこの国の人、とまで特定できるわけではありませんが)。
特に、以前訪米したときよりも、インド系の人をよく目にするな、という印象でした。
そして今、この原稿は、札幌駅から新千歳空港に向かう快速エアポートの中で書いていますが、なんと乗客の4分の1は中国人。
そういえば札幌駅に隣接した大丸には、でかでかと中国語の垂れ幕が掲示されていました。
中国人が日本を乗っ取るなんていう過激な表現はしませんが、もはや中国人にとっては、日本は買い物天国といったところでしょう。
実際中国国内には、現地の通貨価値で金融資産1億円以上を持つ、いわゆる富裕層が、400万世帯とも5,000万人とも言われています。そして、そういう億万長者が、1日30人ペースで生まれていると言われています。
すごいですよね、1億円以上のお金を持つ人が、毎日30人生まれているんですから。
グローバル2.0で何が起こるか
さて、グローバル2.0の時代が何を意味するかというと、競合の増加という厳しさが訪れる一方で、取引先やアライアンスパートナーが増えるという利点もあるでしょう。日本にあって新興国にはない商品・サービスの輸出、反対に、新興国から輸入した商品サービスの日本国内展開も進んでいくでしょう。
もうひとつ、私たちのキャリア選択にも影響を与える可能性があります。
たとえば韓国のサムスンが、東芝や日立、ソニーの技術者を高い年俸で引き抜いているように、中国企業の日本人材買いが始まるでしょう。
中国赴任をいやがる人は多いそうですが、これからは、日本のエース人材が中国企業に勤め、高待遇を受けるのが当たり前になるかもしれません。
日本のビジネススクールを卒業するより、アメリカのビジネススクールを卒業するほうがハクがつくように、中国やインド企業に勤めることが、その後の選択肢を広げてくれるほどの存在感になるかもしれません。