<目次>
「叱るを減らし、褒めるを増やす」育児……本当の意味とは?
褒める育児とは
言うのは簡単だけれど、いざ実践しようとすると、疑問が出てきます。
- それは、子供が叱るようなことをしても、目をつぶるという意味なの?
- 叱ることをスルーして、ほめることだけに注力することなの?
- 子供はますますやりたい放題
- ママのイライラはどんどん加速
ではどうアプローチするのが適切なのでしょうか?
「叱る」「褒める」を総合的にアプローチ
私が主催する叱り方教室『ポジカリ講座』で、「○○するのをやめさせたいんです」「○○ばかりして困っているんです」というようなお悩みが出たとき、私は2方面からのアプローチをおすすめします。1つめは、そのお悩み自体への対策を考え出すこと。これは自然な流れですね。
そして2つめは、日常の親子で穏やかに過ごしている時間に、
- いつも以上に抱きしめてみたり
- いつも以上に「大好きだよ」と言ってみたり
- いつも以上に笑顔を心がけたり
子供は「ママの注意を引きたい」「愛情を確かめたい」というときに、叱られるようなことをすることがよくあります。ママからしたら、「こんなに愛しているのに?」と思うのですが、子供は愛にとっても貪欲。だからママが想像している以上に大振りな愛情表現を欲することがあるのです。
それまでは「叱ることしかない」と思っていた我が子が、それを機に、急に素直になったというのはよくある話。ちょっとだけヘソを曲げていたけれど、ママの愛情をこれでもかと確認できたおかげで満たされたわけです。
このように育児で困ったときは、その困りごとを消し去ろうと直球勝負するよりも、その問題からいったん離れ、もっと外側からふわっと愛情で包み込んでしまうアプローチがおすすめ。これにより、お子さんの心に「ポジティブ改革」を起こすことが期待できます。
「Respect&Accept」が叱るを減らし、褒めるを増やす!
「Respect&Accept」がポジティブな回転を生むカギ!
私がおすすめする「ポジティブ改革」は次の2つ。
それは「Respect & Accept」です。
■ポジティブ改革 その1:Respect(リスペクト)
「リスペクト」とは、相手を尊重すること、認めることの意。親が子供を1人の人間として尊重することを指します。
どんなに小さくても、子どもは1人の立派な人間です。 そして、どの子も「ママに認められたい」気持ちでいっぱいです。 だから、「子どもだから」という気持ちで接するのではなく、1人の人間として尊重し、認めてあげることが大切です。
「この子にはこの子なりの意見がある。見方がある。考えがある」そう思うと、お子さんの行動が、より理解しやすくなります。 お子さんの意見を尊重した振る舞いで接してあげることで、「ママに認めてもらった!」という実感がアップ! 「ボク(ワタシ)はママに一人前として認めてもらっている」という感覚は、お子さんの模範的な行動を促す何よりのモチベーション。それにより、叱ることを減らすことが大いに期待できます。
■ポジティブ改革 その2:Accept(アクセプト)
「アクセプト」とは、受け入れるの意。親が子供のことを全面的に受け入れてあげることを指します。
もしお子さんが受け入れがたい行動をしたとしても、指摘するのはその行動であって、お子さん自身のことは受け入れる姿勢を取り続けることがポイントです。叱るのは子供の行動であって、子供自身ではありません。
ママが、子供の良い所は受け入れるけれど、悪い所は受け入れない。そのような二分化した態度で接すると、 子供も、自分のことをそういう目で見るようになってしまいます。やがては、自分の苦手なこと、得意ではないことがコンプレックスへと発展してしまう恐れもあるのです。 ママが、子どもを丸ごと愛することで、その子は、自分の得手不得手を丸ごと素直に受け入れられるようになります。
ママに全面的に受け入れてもらっているという絶対的な安心感は、家族に対する従順な気持ちを育みます。それにより、叱ることを減らすことが期待できるのです。
子供の心を育むと、「減・叱、増・ほめ」につながる
このように、「叱るを減らし、ほめるを増やす」を実現する最大のポイントは、叱りネタを1つ1つ排除することではなく、もっと大枠の部分である「心育て」に尽力することにあります。我が子をしっかりと「尊重する」「受け入れる」。
ママがそう接することで、その子の心も行動もポジティブに変化していってくれます。それまで「叱ることしかなかった」と思っていたのに、実は「ほめることもたくさんあった」ということに気づくはずです。
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