銀行や証券会社で買えない直販投信とは
投資信託は銀行や証券会社で購入するものだけでなく、運用会社から直接購入する直販投信と呼ばれるものがあります。どのファンドも、老後資金に不安をもつ大多数の資産形成のための「長期積立投資」用に作られているのが特徴です。昨年、毎月積立金が1,000円からとハードルを下げたネット証券が相次ぎましたが、これも、一部の直販投信から始まったものです。長期投資に大きな影響を与えるコストをできるだけ安くと、販売手数料は無料、信託報酬も比較的低く設定され、ファンドの規模が大きくなればコストを下げると謳うものもあります。
また、多くの直販投信は、セミナーや相談会も小まめに開催され、運用者の熱い想いをストレートに伝えるなど、個人投資家の目線に近い運営がされているのも好評を得ている理由のようです。
2010年春 直販投信の風
●鎌倉投信 「結い2101ファンド」の登場まず、一つ目は、100年愛される長寿投信を目指す鎌倉投信の登場。熱き志のファンドが3月29日にまた一つ増えました。
投資先の定義は、「投資家の長期的な資産形成と社会の持続的発展に貢献するために、 社会との調和の上に発展する国内外のいい会社」。国内を中心に約100 銘柄に投資されます。申込手数料はなく、信託報酬は1.05%で、銘柄を絞る同タイプのコモンズ投信1.2075%やひふみ投信1.029%の間の設定です。
古都鎌倉の古民家に本社を構え、セミナーや説明会はこの風情溢れる場所で自然との調和の下に行われるそうです。
●浪花おふくろ投信、かいたく投信、楽知ん投信の運用会社3社の合併
二つ目は、上記三社の合併。いずれも、「さわかみ投信」の沢上篤人氏の考えに共感した人たちが集まり立ち上げた会社で、ファンズオブファンズの形式をとり、それぞれのファンドにさわかみファンドが入っているという共通点がありました。
運用会社が合併しただけで、それぞれのファンドは、そのまま存続して運用されていますので、投資家にとって大きな変化はなさそう。管理体制の強化やスリム化によるコスト減に期待するところです。
<参考>2010年4月運用中の直販投信一覧(五十音順)
★印は本文中に掲載がある投信
・ありがとう投信(ありがとうファンド)
★鎌倉投信 (結い2101ファンド) 新規設定
★クローバーアセットマネジメント 三社合併
(かいたくファンド)
(浪花おふくろファンド)
(らくちんファンド)
・コモンズ投信 (コモンズ30ファンド)
・さわかみ投信 (さわかみファンド)
・セゾン投信 (セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド)
(セゾン資産形成の達人ファンド)
・レオス・キャピタルワークス(ひふみ投信)
・ユニオン投信 (ユニオンファンド)
【参考記事】毎月たった1000円からの投資信託デビュー