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WWEがかつてない期待を懸けるKENTAの可能性

4月末日をもってプロレスリング・ノアを退団したKENTAの世界トップのメジャー団体WWEへの入団が正式に決定しました。7月12日、大阪・舞洲アリーナで開催されたWWE日本公演のリング上でハルク・ホーガン立ち合いのもとに契約書にサインするというかつてない破格の扱いと演出は、WWEがいかにKENTAに期待をかけているかの表れです。KENTAのWWE入りの意味と今後の可能性を探りましょう。

小佐野 景浩

執筆者:小佐野 景浩

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WWEと契約したKENTA。WWE日本代表、インターナショナル常務が祝福

ノア愛と長年の夢…正式契約までには葛藤が

「ノアの再建を目指してやってきて、途中で投げ出すような形で新しいことに挑戦することが、本当に正しいことなのか悩みました。しかし、いろいろ考えて、自分の中で出した答えは、人生は一度きりしかないということでした。今年33歳。環境を変えて新しいことに挑戦するのは今しかない!」と、KENTAがプロレスリング・ノアとの専属契約を終了したのは4月30日でした。5月16日の後楽園ホール大会でノア最終試合を行ってから2ヵ月…7月12日の大阪・舞洲アリーナにおけるWWE日本公演でハルク・ホーガンに呼び込まれる形でリングに上がったKENTAは、その場で公開契約。晴れて世界最大のプロレス企業WWEの一員になりました。

KENTAのWWE入りが取り沙汰されたのは1月末のことです。昨年はGHCヘビー級王者としてノアを牽引してきましたが、今年のオープニング大会の1月5日の後楽園ホールで森嶋猛に敗れて王座から転落。1月ツアー終了後に渡米してフロリダ州オーランドにあるWWEパフォーマンスセンターで4日間トレーニングしたことが明らかになったからです。本人は「元々WWEに対して憧れがあったし、いつかは世界最高峰のプロレス団体でどんなトレーニングをしているのか、その環境に身を置いて、いろいろなものを吸収したいと思っていた。今回は契約とかどうとかではなく、あくまでも練習に参加しただけ」と憧れがあったことを認めつつも、その時点ではWWE行きを否定しました。

実はKENTAはプロレスを辞めようと思った時期がありましたが、そんな時にWWEを見に行ってプロレス観が広がり、救われたといいます。心の中には「いつか、あのWWEで」という気持ちが以前からあったのは事実ですが、エース兼社長だった三沢光晴が09年6月に急逝、12年末には秋山準、潮崎豪らの離脱、昨年は小橋建太、田上明が相次いで引退という状況下でNO MERCYというユニットのリーダーとして、GHCヘビー級王者としてノアの再建に尽力してきたKENTAにとって今回の決断までには長い葛藤があったのです。
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