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シャンデリア物語-クラシックシャンデリアの歴史(2ページ目)

経済が回復すると、シャンデリアが売れます。「シャンデリア」という言葉の響きに高級なイメージがあるのは、ヨーロッパの照明の歴史を探っていくと分かります。シャンデリアは中世盛期から近世にかけてさまざまな様式のデザイン発展が見られます。この間に登場したシャンデリアをクラシックシャンデリアと言い、今日でもこれらの様式を参考にしたシャンデリアは人気があります。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド


シャンデリアで使用されているロウソクについて

さて、ロウソクは世界各地で独自の製造法が確立されています。

ヨーロッパにおいてクラシックシャンデリアに使用されてきたろうそくは獣脂が多く、今日のような石油を使用したパラフィンロウソクと比べ、燃焼効率が悪く、煤も多く出ます。

その分、独特の匂いが室内に充満し、明るさも決して十分ではなかったはずです。今日の私たちがイメージするほど快適な照明ではなかったように思います。

さらに一時間もたたないうちにロウソクの芯が黒化して火が消えてしまいます。そのためシャンデリアは手動で天井から下げ、芯切り鋏(ハサミ)で黒化した部分を切って芯をほぐすことで火を復活させる作業が付きまとうのでした。

このような様子はルイ王朝時代に作曲家として活躍したヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの一生を描いた映画「アマデウス」にも出てきます。この映画の幾つかのシーンはロウソクの光で撮影された様です。

しかしロウソクは今日のもので、獣脂ロウソクではないため、明るさは実際、モーツァルトの生きていた時代と比べ、かなり明るくなっているようです。
クラシックシャンデリア

写真1.左:ルイ15世風 右:ナポレオン風シャンデリア


クラシックシャンデリアの最後の形状が帝政(ナポレオン)様式といわれ、徳利形がその特長です。18世紀後期になるとロウソクもクジラの油が使用され、それまでの獣脂に比べ匂いも少なくなっています。


クラシック型シャンデリアに相応しい光源

クラシックシャンデリアはロウソクの光が直接目に入るデザインになっています。今日のロウソクの光量はその種類によって異なりますが、最も一般的なもので約10lm(ルーメン)と言われています。

ロウソクの炎のような形をしたランプにシャンデリア型電球があります。今日でその代替としてシャンデリア型LED電球が注目されています。

これらのランプは照度を得ることより、輝きの美しさを楽しむ目的で開発されています。したがってランプが露出で使われるシャンデリアに適しています。

シャンデリア型LED電球は1~5Wくらいが多く、光量でいうと30~300lmで決して明るくはありません。しかしこれ以上の光量はまぶしさが強調される心配があります。

クラシック風シャンデリアは今日でも人気があります。その輝きの美しさと昔の雰囲気を楽しむのであれば、より温かい光で明るすぎないシャンデリア電球、もしくはシャンデリア型LED電球の使用が求められます。

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