テクノポップ/アーティストインタヴュー

旅に出たくなるQUIET VILLAGE(2ページ目)

1997年からYMOのコピーバンド・イベントにも参加し、異彩を放っていたQUIET VILLAGE。TECHNO4POPや大貫妙子カヴァー集への参加を経て、8月6日に旅に出たくなる<フュージョン>作品『THE DAYS』を発表。リーダーの八田裕之さんに登場頂きます。

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

好きなギタリスト

ガイド:
もちろん、歴代YMOの曲の中には、渡辺香津美さん、大村憲司さん、高中正義さん、鮎川誠さんなど名ギタリストがからんでいますから、YMOとギタリストというのは無縁ではありません。八田さんが特に好きな、または目指したギタリストはこの中にいたのでしょうか?

八田:
quietvillagelive

QUIET VILLAGEライヴ

始めたきっかけは高中さんですから、一番影響を受けていますね。曲構成とかフレーズとか。ロック的な意味では、CHARさんです。シングルコイルの音使いとか憧れました、エレキギターそのもの、それも微妙な指使いまでアンプから音が聴こえてくる感じ。それから大村憲司さん。フレーズが洒落ていて、かといって極端にジャズ寄りでもなく、それでブルージーで。その辺のバランス感覚がすごいなぁ、と。

 

YMOのカヴァー曲

ガイド:
YMO及びYMOが絡んだ曲をカヴァーするイベントというのが一時、結構ありましたよね。僕も友だちが絡んでいたイベントがあったので、行きました。QUIET VILLAGEもその中でYMOを演奏されたはずですが、レパートリーはどんな曲だったのでしょう。

八田:
YMOでは1stの「東風」「Cosmic Surfin’」とか「Simoon」、紀伊国屋ライヴの「Plastic Bamboo」あたりでしょうか。あとはカクトウギセッションやKYLYNの曲です。イベントではYMO前夜担当だったんです。

ガイド:
その様な中で、QUIET VILLAGEはテクノポップというよりもフュージョンという切り口でYMOをやはり見てこられたのでしょうか? 確かにYMOの1stアルバムは、テクノポップの夜明けでもあり、フュージョンの進化(または突然変異)でもあったのかと。

八田:
いや、YMOはそんな見方はしてませんでした。好きなアルバムは『BGM』とか『Technodelic』ですし。イベントに出るまではYMOの曲はほとんど演奏してなかったように思います。出るようになって、1stアルバムから曲をコピーしてみて、これってよくよく聴くと演奏すげぇな、みたいな。当たり前なんですけども。そういえば1stのレコードの帯にも「フュージョン」って書いてあったな、と。

メンバーの変遷

ガイド:
現在のQUIET VILLAGEのメンバー構成は、その当時と比べるとかなり変わったのでしょうか?

八田:
変わっています。YMOイベントに出ていた頃は5人編成でしたが、その頃のドラムと鍵盤の1人が今はいません。僕と生松くんと錢天牛の3人が昔からのメンバーです。昔は、メンバーで定期的に集まって練習したりしていましたが、もう30半ばも過ぎると仕事が忙しくなったりで(抜けたメンバーもその理由です)、いわゆるバンド活動は難しくなりました。

quitevillage

QUIET VILLAGE

一方、当時若手の職業ミュージシャンと知り合う機会がいくつかあって、QVで叩いてたドラムがいなくなった時、菅田くんがやってくれる、という話になりました。2003年のことです。その後いろいろ繋がって、その翌年にパーカッションの佐藤さん、2006年にピアノの原川くんに手伝ってもらうようになりました。今回録音したメンバーです。ただ僕ら3人は他に仕事を持ちつつで、彼らは音楽が中心ですから予定を合わせるのも難しく、1人欠けて演奏したり、トラを立てたりすることも何度かありました。そういう意味ではドライですね。普段そんなに会いませんし(笑) 。今は定期的には練習することはなく、ライヴが近づくとちょっと集まって準備する感じです。却ってそういう形態なので長く続けていられるとも思います。何事もそうですけど、長く続けていれば人的ネットワークも広がりますし、今回の録音にも繋がったのかなぁ、と。

 

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