切手収集/切手収集入門

切手収集家の夏の祭典、全日本切手展に行ってみよう!(2ページ目)

この夏最大の切手イベント<全日本切手展2014>が東京・錦糸町で開催されます。ここでは切手イベントを100%楽しむために、参観のポイントや目玉をお伝えします。また、錦糸町から地下鉄で1駅で行ける郵政博物館の特別展「文明開化の街道展」についても併せて紹介したいと思います。

板橋 祐己

執筆者:板橋 祐己

切手収集ガイド

<全日本切手展>開催の歩み

<全日本切手展>は全国規模のものとしては最も伝統のある切手展で、1950年4月に「全日本切手コンクール」という名称で開催されてから、今年で通算64回目を迎えます。当初は日本橋の三越百貨店などで行われましたが、1965年に東京・大手町に逓信総合博物館ができてからは、長く同館で開催されてきました。
全日本切手展2012

全日本切手展2012の入口。東京・大手町の逓信総合博物館にて。

ところが、逓信総合博物館は2013年8月に閉館し、2014年3月にスカイツリータウン・ソラマチに郵政博物館として移転オープンしたため、今年からは東京・錦糸町の丸井(OIOI)のビル(「すみだ産業会館」)8階で開催されることとなりました。
すみだ産業会館

全日本切手展の開催が予定されている、すみだ産業会館(東京・錦糸町)。

切手コレクションの競演!

切手展で最も注目を集めるのは、やはり競争展示です。切手展に出品される作品は、一部の招待作品などを除いて、基本的には100点満点で採点が行われ、賞状とメダルが与えられます。金銀賞の基準となる75点以上の評価を得れば、国際切手展へのエントリー資格を取得することになり、参加者はみんな真剣勝負です。
ルーマニア切手

切手収集ガイド・板橋祐己が構成した1920年代のルーマニア切手の専門コレクションから。

部門は切手展により異なりますが、<全日本切手展2014>では伝統郵趣・郵便史・テーマティク・オープンクラスなどが設けられています。今年の出品リストはコチラをご覧ください。
メダル

全日本切手展2012で出品者に贈られたメダル。

ちなみに、第1回の競争展示は・・・

競争展示は、全日本切手展の第1回目から行われていました。部門は現在のものと異なり、「ベスト・テン(コレクションの中で自信のある10枚を選定)」、「五十枚コレクション(テーマをもって整理したもの)」「特殊コレクション(切手を貼付した各種物品、例えば葉書、封筒、細工品など)」の三部門で行われました。最初の切手展の「ベスト・テン」一等に選ばれたのは、「青島軍事切手エンタイアー其の他」で、著名収集家だった中田実氏(兵庫・尼崎)の遺品を出品した子息が受賞しています。(参考文献 内藤陽介、『戦後記念切手 濫造・濫発の時代』、日本郵趣出版、2001年、254-256ページ)
郵政記念日制定

実質的に第1回の全日本切手展開催の記念切手とされる、「郵政記念日制定記念」(1950年)。当時の郵政省本省にあった麻布郵便局の消印が押されている。

次のページでは、競争展示以外の<全日本切手展2014>の楽しみを紹介したいと思います。
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