無電柱化民間プロジェクトのイメージ

葛飾北斎「富嶽三十六景」のうち赤富士(凱風快晴)を「無電柱化民間プロジェクト」のイメージに使用。右の美しい赤富士も、電柱と電線によって景観がそこなわれることを表わしている

無電柱化がなぜ大きな問題になる?

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電柱が多い日本

「無電柱化」とは、電力線や配信線などを地中に埋めたり、表から見えないように配線して、道路から電柱をなくすことです。
ではなぜ、無電柱化する必要があるのでしょう?

第一に、通行の安全性や快適性の確保のためです。電柱が歩道にに張り出していると、いちいちそれをよけて通行したり、一度車道に出てから歩道に戻ったりして、不便なうえ危険を伴います。

第二は、景観の向上のためです。美しい街並みは、住んでいる私たちが快適に感じるだけでなく、観光の振興にも効果があります。世界遺産に登録された美しい富士山も、電柱や電線でおおわれてしまうとがっかりですね。

第三は、災害対策のためです。地震や台風などの災害時に、電柱が倒れて消防車や救急車が通れない、電線が垂れ下がって事故が発生するなどの災害が拡大するリスクが高くなります。電線に情報通信回線を頼っていると災害時に通信網が遮断されるリスクもあります。

国土交通省のサイトによると、東京23区と大阪市の無電柱化率は、それぞれ7%と5%にすぎません。これに対して、ロンドンやパリは100%。同じアジア圏の台北の95%、シンガポールの93%、ソウルの46%などと比べても、無電柱化はかなり立ち遅れています。

グラフ

国土交通省「無電柱化の現状」より転載


無電柱化については政府も手を打ってはいますが、国道で先行しているものの多数を占める市区町村道などではかなり遅れています。無電柱化を促進するために、自由民主党では無電柱化小委員会が中間とりまとめ案(2014年6月)を発表しました。それによると、新しい電柱を原則禁止とし、「無電柱化基本法(仮称)」を策定するなどのほか、整備手法の見直しや予算の確保などを提案しています。


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