富山の前衛的地方料理レストラン「レヴォ(L'évo)」
「リバーリトリート雅楽倶」の建物は建築家・内藤廣氏の設計。吹き抜けのロビーから望める神通峡を切り取ったような景観はまさに一幅の絵。
JR富山駅からJR高山本線あるいは地鉄バスで約40分、富山空港からなら車で15分ほど南下した山里「笹津」に、水をたっぷりとたたえた神通川のダム湖に面して、知る人ぞ知る隠れ家リゾートホテル「リバーリトリート雅楽倶(がらく)」がひっそりと佇んでいます。そこには2010年から「サヴール」というレストランがあり、シェフの谷口英司さんが作るレベルの高いフランス料理が評判を呼んでいました。
前衛的地方料理レストラン「レヴォ」
谷口さんは大阪出身ですが2010年の赴任以来、富山に根を下ろし、都会では手に入るべくもない鮮度と種類を誇る富山の食材に魅せられて、理解を深められるにつれ、「富山ならではの食材を使った“前衛的地方料理”を作りたい」という強い思いに突き動かされるようになりました。そして遂に2014年5月、晴れてオーナーシェフとなられて店名を「
レヴォ(L'évo)」と改名し、リニューアルオープンされたのです。「(L'évo)」とはフランス語の「L'évolution(進化)」の略語。ありきたりを脱し、創作の高みを目指す谷口シェフの意気込みが込められた命名ですね。
「レヴォ」の内装
谷口シェフは1976年生まれの現在38歳。父上が和の料理人であったことから幼くして料理人を志されました。料理人人生の出発は宝塚のホテルの洋食部門。その後、大阪で洋食を修行される過程でフレンチの魅力に開眼され、「どうしてもフレンチがやりたい」という情熱と若さの勢いでフレンチを志されるようになりました。大阪や神戸でフレンチの修業の後、ブルゴーニュの故ベルナール・ロワゾー氏の店や南仏ニームのレストランなど本場でも修業されて技術に磨きをかけられ、2010年に「リバーリトリート雅楽倶」のフレンチシェフに抜擢され、富山に赴任されたというわけです。
店内からの眺め
「レヴォ(L'évo)」は「地下1階」に位置しますが、傾斜地に建っているため、約50席のダイニングルームの南面には、テラス越しに神通川の川面と向こう岸の緑豊かな山々が拡がっています。
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