NISAを活用するにはどうしたらいい?
NISA(少額投資非課税制度)は長期投資家にメリットを与えてくれる素晴らしい税制優遇制度です。この機会に投資を始めたという初心者にとっては、銘柄株よりも投資信託を使うことが適切です。なぜなら、毎月8万円(年間100万円)程度の投資で分散投資を実行するには、投資信託の利用しなければできないからです。
では、どんな投資信託を選べばよいのでしょうか?
今の時点での、最適な投資ポートフォリオをご案内します。
NISAに最適の投資信託をコアとする
まずは、コアの3本のファンドをご紹介します。1、日本株式に”JPMザ・ジャパン”
2、先進国株式に”朝日Nvest グローバルバリュー株オープン”
3、新興国株式に”フィデリティ・アジア株・ファンド”
コアの3ファンドの共通点は、リターンとシャープレシオの大きさです。過去10年間の長期リターンとシャープレシオにおいて、朝日Nvestだけは2位ですが、他の2ファンド(JPMザ・ジャパンとフィデリティ・アジア株・ファンド)は共に第1位の成績をとっています(2014年6月末現在、モーニングスター社調べ)。
NISAで使えるコアファンド
この2点の指標に私が注目しているのには、ワケがあります。それは、NISAで行うのは最低5年間は引出しをしない長期投資です。であるならば、リスクを毛嫌いする必要はないと考えたからです。
リターンとはファンドの収益率(どれだけ増える)の実績です。リターンが大きければ、所得も大きく、したがって自然と非課税となるメリットも大きくなります。
リターン重視だからといって、リスクに無関心でもいけません。ただ、リスクの絶対的な大きさよりも、リターンとの相関関係でリスクの小さいモノを選べばいいのです。
一つのリスクに対して、リターンの大きさを示すのが、シャープレシオです。投資効率の指標とも言われています。
詳しい解説は、こちらをご覧ください。
収益と効率の観点から、以上の3つのファンドを選びました。これは過去の実績からの期待です。
しかし、過去の実績が未来の成績を決めるわけでも、ありません。未知の成果を期待するなら、過去の成績にこだわらないファンド選びも「アリ」だと思います。
主観的判断でサテライトを選ぶ
過去の長期成績にこだわらない投資信託選びは、相当に独断的で、希望的かもしれません。ですから、コアに対してサテライトと呼びます。独自の未来予測に基づいて、私がサテライトに入れるのが、次の3つのファンドです。4、DIAMシェール株ファンド
5、イーストスプリング・インド株式ファンド
6、DWS欧州ハイ・イールド債券
以下に、選択した注目ポイントをご案内します。
4、DIAMシェール株ファンド
シェールエネルギーの開発・採掘・運搬、シェールエネルギーの利用等によって恩恵を受けると考えられる北米(米国・カナダ)企業の株式に投資しています。
投資対象は30~50社と果敢に集中投資を実行していますが、この1年間のリターンは45%で、北米向けヘッジ無しファンドのカテゴリーで2位を獲得しています。
5、イーストスプリング・インド株式ファンド
新興国市場の危機からインドだけはいち早く立ち直りつつあります。6月の政権交代による新首相モディ氏への期待も高く、もう一度インド経済が躍進するときが近いと考えています。実際に、この1年間のリターンは37%と目を見張るものがあります。
ユーロの危機から回復しつつある欧州ですが、景気回復期には株も上がりますが、ハイ・イールド債券も上昇します。これからの欧州経済の正常化に向けて、効率良くリターンを稼げるのが、ハイ・イールド債券です。この1年間のリターンは12%と穏当なものでした。
毎月8万5000円の積み立て投資でNISAを使い倒す
いかがでしょうか?前半は、長期実績に基づくコアの3ファンド。そして、後半は主観的な期待先行で選んだサテライトの3ファンドをご案内してきました。
毎月の積み立て投資のパターンとしては、コアファンドを2万0000円ずつ(コア合計6万円)。サテライトのどれか2本で合計2万5000円という組み合わせがシンプルです。
毎月8万5000円で投資すれば、12ヶ月で累計約100万円となり、NISA枠を残らずに使い切ることができます。ただし、投資に絶対はありません。あくまでも自己責任でお願いします。