賃貸住宅経営は初期投資額が大きな事業
世の中には多種多様な事業があり、その業態も様々です。例えば、飲食店であれば、お客様に対して料理を提供しその対価として料金を頂きます。
美容室であれば、カットやカラーの技術を提供し料金を頂くことになります。
賃貸住宅経営は、入居者に建物を貸し、その対価として家賃を頂くという非常にシンプルなシステムの事業です。
特徴としては、建築費などの初期投資が非常に大きいという点が挙げられます。
つまり、初期段階で億単位の投資をし、それを長い年月をかけて回収することになります。
例えば、30席程度のフレンチレストランを開業しようとした場合、初期投資として内装のリフォーム、テナントの初期費用、スタッフの募集経費などが2~3,000万円程度かかることになりますが、賃貸住宅経営のように億単位の資金が必要になることは無いでしょう。
一方で、開業後には食材の原価、テナントの家賃、人件費といった経費が毎月発生することになりますが、この経費を日々の売り上げで支払い、利益を積み上げていくことが飲食店経営の基本となります。
初期投資額が小さい分、万が一、初期のプランニングに失敗し売り上げが低迷した場合には、途中で営業戦略、メニュー、サービス内容などを見直せば良く、フレンチをイタリアンに変更するなどの思い切った軌道修正も比較的容易に可能です。
しかし、賃貸住宅経営の場合は飲食店経営のような軌道修正が難しく、最初に建物を建てた段階で、その後の成否が決定してしまうと言っても過言ではありません。
だからこそ、初期のプランニングが大変重要になる事業となるのです。
ポイントは、正確なマーケティングと質の高いサービス
共通点としては、まず、どのような事業であっても需要と供給で成り立っているという点が挙げられます。マーケティングを誤り、需要と供給の関係を読み違えてしまえば、どのような事業であっても失敗に終わることになります。
飲食店であっても賃貸住宅であっても、需要の無いエリアでは成功する見込みはほとんど無いでしょう。
次に、質の高いサービスが求められるという点です。ホテル、旅館、デパート、航空会社などでは早くからサービスの質の向上を目指して、ホスピタリティの導入を行っています。賃貸住宅経営においても既に「入居者=お客様」の時代になっており、今後は、他業種の実践しているホスピタリティ経営同様、入居者にとって満足度の高いサービスを提供していく必要があるでしょう。
今後、賃貸住宅経営の勝ち組となっていく為には、「建物を貸してあげている」といった大家業の発想は捨て、「建物を借りて頂いている」という発想を持たなければなりません。
ホスピタリティの世界へいち早く飛び込むことが、賃貸住宅経営の勝ち組への近道なのです。