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子どものレジリエンスを鍛える10のコツ!逆境を跳ね返す力とは

「レジリエンス」という言葉を聞いたことはありますか? これは「精神的回復力」「抵抗力」「復元力」「耐久力」などとも訳される心理学用語。レジリエンスは「心の筋肉」にも例えられ、トレーニングするほど、困難に負けない子どもになっていきます。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

心の筋肉「レジリエンス」が子どもの生きる力を左右する

レジリエンスが高いと逆境に強い子どもになれる

レジリエンスが高いと逆境に強い子どもになれる

レジリエンスとは、分かりやすく言えば、逆境に置かれたときの跳ね返す力のこと。レジリエンスの反対に当たる言葉は「バルネラビリティ」で、「脆弱性(ぜいじゃくせい)」と訳されます。精神的なもろさ、弱さを指します。

レジリエンス、バルネラビリティ。どちらも、日々穏やかに過ごしていると目立ちません。これらが顕著な差となって現れるのは、逆境に置かれたとき。つまり、「困った!」「どうしよう!」「なんとかしなくちゃ!」と思ったときに、レジリエンスが高い子は、その逆境を乗り越えられ、バルネラビリティが高い子はその逆境に打ちのめされてしまいます。

レジリエンスを強めるにはコツがあります。アメリカ心理学会が推奨している子供向けの「レジリエンス強化の10のコツ」がありますので、ここでご紹介したいと思います。ぜひ、子供達のレジリエンスアップのためのガイドラインとしてお役立てください。
 

子どものレジリエンス強化のための10のコツ

絆を強める:
子供達に友達を作るコツを伝えよう。共感する力、相手の痛みを理解する力、この2つは友達作りの大切なポイント。また家庭内の絆がしっかりしていると、子供がもし傷ついたときにも心を癒してあげることができる。

人を助ける経験をさせる:
子供が自分のことを「無力だ」「頼りない」と感じてしまったとき、その子自身が他の人を助ける経験をすることで、その無力感から解放されることがある。年齢に合ったお手伝いで家庭の大事な一員であることを実感させてあげよう。

日々の日課を守る:
リズムのある毎日は子供にとって心地がいい。まずは規則正しい生活習慣を教え、それを子供達が自主的に遵守できるように促そう。 

時には休む:日々のリズムは大切だが、無理は禁物。子供が悩んでいるとき、心配、不安に満たされているときは、その原因を取り除くことを優先しよう。

セルフケアを教える:
きちんとした食事、適度な運動、気分転換など自分のケアをする大切さを伝えよう。親が分刻みで子供のスケジュールを管理してしまうと子供の心身のバランスが損なわれる。子供には楽しく遊ぶ時間も必要だ。自己管理が上手になると、ストレスを上手に解消していけるようになる。
目標を定めさせる:目標を定め、その目標に向かって1歩ずつ進むことを教えよう。コツコツと前に進むことを覚えると、子供達はできていないことではなく、自分が成し遂げたことに目を向けるようになり、レジリエンスの強化へとつながる。その際は子供の努力のプロセスをほめることも心がけよう(*1)。

自分への信頼を高める:
それまでに頑張って乗り越えてきた努力は、次のチャレンジの大きな力になることを伝えよう。問題を解決しなくてはいけないとき、決断をしなくてはいけないとき、自分のことを信じて進んでいい、ということを教えていこう。

ポジティブな見方を教える:
子供が困難に立ち向かうとき、その状況をあらゆる方向から見ることができるように習慣づけよう。物事を一方向からしか見れず、その場で解決できないとなると、「もうだめだ」と感じてしまいやすくなる。楽観的な見方が習慣になると、その子は良いことに目が行くようになり、困難なときも悲観視せずに進んでいける(*2)。

困難をチャンスにする:
困難な状況というのは、自分の一面を垣間見る機会となる。その経験で何を得たか、何を学んだかを気づかせてあげよう。

変化を受け入れる:
変化はときに子供達を脅かしてしまう。しかし、人生に変化はつきもの。その現実を受け入れられるようにサポートしていこう。そして必要があれば、目標を新しく変えることも時には必要であることを教えていこう。

ここに描かれているのは、自分の足でしっかりと立っている子。レジリエンスを高める=子供自身が自分で立つ力を身につけるプロセス、とも言えます。

このプロセスに不可欠なのが、親が子供を信じてあげる気持ち。親のその気持ちこそが、その子のレジリエンスアップにつながると言えそうです。「転んでこそ立ち上がり方を学べるのだ」というくらいの気持ちで、子供達が自ら判断する場をどんどん作ってあげてください。


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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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