極限のスピード合戦が繰り広げられる
「サマースプリントシリーズ」
真夏に行われるシリーズ企画は「サマー2000シリーズ」だけではありません。競馬のスプリントにあたる、1200m以下の芝レースで競われるのが「サマースプリントシリーズ」。こちらは6月下旬から9月まで、全6戦で勝者を決めます。そのうち7月に行われるのが、G3 CBC賞(芝1200m、中京競馬場)。■サマースプリントシリーズ (2014年)
6月:G3 函館スプリントステークス(芝1200m、函館競馬場)
7月:G3 CBC賞(芝1200m、中京競馬場)
8月:G3アイビスサマーダッシュ(芝1000m、新潟競馬場)※直線レース
8月:G3北九州記念(芝1200m、小倉競馬場)
8月:G3キーンランドカップ (芝1200m、札幌競馬場)
9月:G2セントウルステークス(芝1200m、阪神競馬場)
ポイントのシステムや、レース選択がカギになることなど、大きな見どころは「サマー2000シリーズ」と同様。さらに「サマースプリントシリーズ」の場合は、9月下旬~10月上旬にこのジャンルの頂上決戦、G1スプリンターズステークス(芝1200m、中山競馬場 ※2014年は新潟競馬場で開催)が控えているので、シリーズの活躍馬がそのままG1の舞台で好走するケースもあります。
世界の短距離王を本気にさせたハクサンムーン
2013年の「サマースプリントシリーズ」を制したのは、アイビスサマーダッシュとセントウルステークスを勝利したハクサンムーン。しかもセントウルステークスでは、海外のG1を制し、史上最強スプリンターとさえいわれたロードカナロアを撃破。G1を6勝した歴史的名馬に勝利するという大仕事をやってのけます。2013年セントウルステークスのレース映像(ハクサンムーンはピンク帽の13番)
観客がどよめく中、逃げ切り勝ちを決めたハクサンムーン。同馬はこの勝利でシリーズ王者となり、続くG1スプリンターズステークスに2番人気で堂々参戦。ただしここでは、前走で負かしたロードカナロアにリベンジを食らってしまいます。
2013年スプリンターズステークスのレース映像(ハクサンムーンは青帽の7番)
セントウルステークスのハクサンムーンは、シリーズ優勝に向けてピークの状態にありました。一方のロードカナロアは、スプリンターズステークスを最大目標として、久々に出走したのがセントウルステークス。いわば前哨戦です。ですから、ロードカナロアにとって「本番」となったここでは、きっちりと力を見せたのでした。
とはいえ、セントウルステークスでハクサンムーンが勝利したことにより、王者ロードカナロアを本気にさせたことは確か。だからこそアナウンサーの方も、「世界のローーーーードカナロア!!」と、肺活量をフルに使う実況を聞かせてくれたのでしょう。
そういう意味で、真っ向から王者に挑んだハクサンムーンも、ファンの記憶に残る強さを見せてくれました。
なお、シリーズ企画はこれだけではありません。「マイル」と呼ばれる1600m戦での覇者を決める「サマーマイルシリーズ」は、7月のG3中京記念(芝1600m、中京競馬場)を皮切りにスタート。全3戦で行われます。
さらに、指定の全14戦を対象にジョッキーがポイントを競う「サマージョッキーズシリ―ズ」も並行して開催。6月下旬から9月中旬まで、長期間にわたる勝負で、ベテランの意地と若手の勢いがぶつかる戦いともいえるでしょう。
このように、いろいろな企画が目白押しの夏競馬。その前半戦となる7月のレースをぜひご覧頂ければと思います。
※レースの情報は、すべて2014年6月末時点のものです。
(リンク)
7月のレーシングカレンダー|JRAウェブサイト
サマーシリーズ2014|JRAウェブサイト|データファイル
ハクサンムーン|競走馬データ‐netkeiba.com
トウケイヘイロー|競走馬データ‐netkeiba.com