お金持ちほど古ぼけたものが好き?シャビーシックなインテリア
シャビーシックなインテリアとは、使い古されて味わいがありながらも、洗練されたインテリアのこと。塗装がちょっとはげかかった雰囲気、凸凹で傷だらけだけれど味わいのある無垢の床板や壁材などが特徴です。シャビーシックは、好きな人は好きなんですが、薄汚れて見える、古臭いなど、今までは一般受けが難しい部分もありました。しかし最近は、100年以上も前に使われていた建材を再活用した本物のアンティーク材や、アンティーク加工を加えた建材の人気が急上昇。アンティーク加工とは、新品にあえて傷を付けたり、剥げさせたりといった経年加工を加えることで、住宅展示場の高級モデルハウスのインテリアでも見かけるようになりました。
某展示場の方いわく、お金持ちほどピカピカの新品を好まず、あえて古びさせるんです、とのこと。忙しい毎日だからこそ、癒し感満載のシャビーシックなインテリアが好まれるのでしょう。
ヨーロピアンオークを、アンティーク加工で古木風に仕上げた無垢フローリング。ヒビや欠けも再現している(ブルージュウッドフロア/ADVAN)
ちなみに下の写真は、アンティーク加工ではなく本物のアンティークのフローリングです。1800年代のアメリカの牧場の外壁として使用されていたオーク材を、フローリングとして再利用したもの。ガイドYuuは取材を行い実際に触れてきましたが、想像以上に艶やかで、深い味わいがあるフローリングでした。
1800年代のアメリカの牧場の外壁として使用されていたオーク材をフローリングとして再利用した本物のアンティークフローリング(アンティークオークフローリング/ADVAN)
アンティークオークフローリングの実物。想像以上に艶やかで深い味わい。節が抜けていたり、スキマにばらつきがあったり同じものは無い。
アンティーク加工はリフォームと相性がいい
アンティーク加工は、古い部分と新しい部分が混在するリフォームとは相性がよく、昔からキレイに塗った塗料をふき取ったり、紙やすりで削り取ったりして、深みや味わいを出す手法が使われています。ラワン合板の壁に塗装をした後、ヤスリがけをしてあえて古びたイメージにしたトイレ(DIYリフォーム実例!大変身!素材感を生かしたトイレより)
シャビーシックなインテリアのお手本は、ヨーロッパやアメリカの古い民家ですが、最近注目されている日本の古民家リフォームとの共通点も感じます。年月とともに使い込まれた木々たちから感じる深い味わいと歴史。現代人にとって大きな癒しとなるインテリアです。
次のページでは、シャビーシックなインテリアを作るコツ、アンティークな建材をリフォームで使う際の注意点、手軽に使える床材をご紹介します。