人はなぜ山に登るのか
登山を始めていない人からしたら、なぜ山に登りたい人がいるのかきっと不思議に思うことでしょう。山に登る理由は人によって様々だし、正解があるわけではありません。でも、この映画をみたら、きっとあなたも山に登ってみたくなるはず。今回は、まもなく公開がはじまるおすすめの山岳映画をご紹介します。タイトルは、「ビヨンド・ザ・エッジ 歴史を変えたエベレスト初登頂」。エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイの二人が、人類史上はじめてエベレスト登頂に成功した1953年の冒険物語を、そのときの記録写真や映像を使ってドキュメントタッチで描きながら、さらに現代の俳優を起用して再現映像で映し出すという、画期的な映画です。実際に自分がエベレストにのぼっているかのような臨場感あふれる山の姿を3Dで見ることができます。
偉大な登山家 エドモンド・ヒラリー
「我々が征服するのは、山ではなく、自分自身である」この言葉で知られる登山家のエドモンド・ヒラリーは、ニュージーランド出身の登山家。夏には養蜂業を営み、冬になると登山を行って経験を積んでいたところ、1951年にイギリスのエベレスト調査隊に加わるチャンスが訪れます。満を持してエベレストに向かったのが1953年。当時は8848メートルという高度では人は生きられないとすら思われていた時代で、エベレストは人類が征服を試みるたびに、多くの命を飲み込んでいました。選ばれたのはイギリスの国家事業としての登山隊。だからニュージーランド人であるエドモンド・ヒラリーが登頂できる可能性は限りなく少ないはずだったのですが、そのチャンスをどのように生かしたのか。彼がパートナーに選んだのは、シェルパのテンジン・ノルゲイ。第二アタック隊に選ばれた二人が頂上を目指すことになり、途中で何度も「これ以上進むのは無謀だ」という思いにとらわれながらも、なぜ頂上に到達できたのか。エドモンド・ヒラリーが「ここはエベレストだ。限界を超えても行け。」と踏ん張る姿に、思わず見ているこちらも手に汗を握ってしまいます。
学校でいじめられ内気で臆病だった少年時代のエドモンド・ヒラリーが、登山家になり山に打ち込むことで人類未踏の地に到達するという偉業を達成する。逆境を乗り越えた人間の壮絶な物語に、見終わった後、きっとだれもが勇気をもらうことでしょう。