便利な世の中に生活する私たちは、不便さを楽しむためにアウトドアに出かけます。キャンプや自然体験には、被災時に生き残るための様々なヒントが隠されています。

「被災時の自助能力を高める」という観点から、知っておくと役に立つアウトドア知識をお伝えします。
アウトドアの知識が、いざという時に身を助けるかもしれません

アウトドアの知識が、いざという時に身を助けるかもしれません


自助の三原則

「体力」「体温」「水」を温存することを最優先で考えること。被災した場所が安全かどうかを判断する際に、体力や体温を消耗しない場所なら比較的安全であると考えることができます。

登山中の遭難時と同様に、むやみに動いて体力を消耗しないよう、安全を確保できれば、なるべくその場から動かないという選択肢もあるということを覚えておきましょう。さらに「水」の確保ができれば、生存率は高まります。


「72時間の壁」とは?

人間が水なしで生きられる限界が72時間と言われています。72時間を超えると急激に生存率が下がることから、人命救助の重要な目安とされています。体力、体温が温存できる場所にいて、なおかつ水が入手できれば、救助までの時間を生存できる可能性は高まります。


防寒に役立つもの

体温の温存には、防寒対策が重要です。寒さの中で眠るには、温かい寝袋があるに越したことはありませんが、アウトドア用のエマージェンシーシートは小さくコンパクトに収納できて、寒さをしのぎたいときに活躍します。段ボールや新聞紙などは防寒に役立つだけでなく、幅広い用途に使えるので便利です。

キャンプでは、防寒のために焚き火など火を使うことが多いですが、被災時は状況によって、火を使用できない場合もあります。火を使わなくても暖を取ることができる防寒グッズの使い方を、アウトドアの現場で試しておきましょう。


炊き出しに役立つもの

体力を温存するために、食糧は重要です。水や熱源があれば食べられるものは広がりますが、水や熱源がなくても食べられるものを備えることも重要です。子どもでも食べやすいもの、比較的食べなれているものなどを準備しましょう。また、ラップやアルミホイル、保存袋、新聞紙などがあると、調理器具や食器代わりとなり、水の節約につながります。


水の確保

マンションでは、電気が止まると水やガスなどライフラインのすべてが止まってしまう場合があります。ガスや電気が止まっても、暖を取る方法があれば大丈夫ですが、水が確保できなくなるのは一大事。近隣で水を確保できる場所を確認するなど、被災時の水について考えておきましょう。


日頃の備え

非常用持ち出し袋を準備する際に、日常的に備えておくべきものを確認しましょう。自分にとってなくてはならないもの、例えばメガネやコンタクトレンズなどは、代替品がありません。常備薬や痛み止めなども、被災時は入手困難になるでしょう。

女性の生理用品や赤ちゃんの紙おむつなども備えがあると便利です。ビニール袋とおむつがあれば、簡易トイレを作ることも可能です。ビニール袋は段ボールや新聞紙と同様に、様々な用途で活躍しますので、災害時に備えておくとよいでしょう。


危機管理コンサルタント、浅野竜一さんのお話を元に、被災時に生き残るための、自助を高めるアウトドア知識をご紹介しました。

東日本大震災をきっかけに、全国様々な場所で防災訓練型のキャンプが開催されています。中でも、浅野さんがミッショントレーナーを務める「渋谷キャンプ」は、被災時の行動を考え、生き残るための術を学ぶ自助能力を高めるグループワークを中心に構成している本格被災時訓練です。こうした訓練に参加して、被災時の対応について練習しておくこともきっと役立つはずです。


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