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ジ・浅草コブラーのツイステッドラストシューズに注目

前回のジ・浅草コブラーオリジナルシューズの第二弾が、ツイステッドラストをベースにしたオリジナルシューズ。ビスポークシューズでしか耳にしない貴重な木型をベースにしたオリジナルシューズというわけです。前回同様にオーダーして履いた感想も書いているので参考にしてください。

倉野 路凡

執筆者:倉野 路凡

メンズファッションガイド

ツイステッドラストの魅力

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ジ・浅草コブラー オリジナルシューズのツイステッドラストモデルです。

以前紹介した靴修理のジ・浅草コブラーのオリジナルシューズの第二弾です。その以前の靴というのは、私的にオーダーしたフルハンドのフルブローグ(ウイングチップ)モデルです。紐周りのデザインはボク好みのアデレード(琴形)にしてもらいました。

今回オーダーした靴も既製靴ではなく、国内の職人によるオーダーメイドシューズ。基本的に木型を削るビスポークシューズではなく、確認用のサンプルシューズを試着してサイズとフィット感を確認する方法です。

サイズが少し合わないという程度なら、別途料金で乗せ甲や中敷を入れたりなどの微調整も可能。ですからパターンオーダーシューズよりもフィット感のある靴が完成するというわけです。

前回の靴との違いはベースにしている木型がツイステッドラスト(ねじれた木型)ということ。たぶん聞いたことがない名前だと思いますが、適度にねじれを入れることで歩行が楽になり、ヴァンプ(紐部分より前方の甲革)にシワが入りにくいなどのメリットも多く、靴好きにとっては憧れのラストです。

もう少し詳しくいうと、平均的な人の歩き方というのは踵の外側から地面に着地して親指に向かって、足の裏を斜めに体重移動します。それに合わせて木型も少しねじっているわけですね。量産の既製靴ではほとんど使われていない木型なんです。

実際に履いてみると、既製靴に比べてたしかに歩きやすく、ソールの返りもよく、柔らかなフィット感です。足への負担も少ないようです。サイズが合っていることやハンドソーンウェルテッド製法ということも影響していると思いますが、軽やかで、快適で、しかも見ためも美しいのが魅力です。オーダーして良かったです。
 

ハンドソーンウェルテッド製法

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膨らんだフィドルバックが美しいです。

ツイステッドラストを使用していることもあり、機械によるつり込みが難しい。そのため機械式のグッドイヤーウェルテッド製法ではなく、手によるハンドソーンウェルテッド製法(フルハンド)を採用しています。その構造上、経年による中物(コルク)の沈み込みが少ないのも特長です。歩行時のソールの返りがいい(柔らかく感じる)のはこの製法のためかもしれません。

さらに踏まず部分をまくり加工(中底を立体的に隆起させる仕上げ)およびベベルドウエストにすることで、歩行時の安定感が増し、履きやすい靴になっています。

ちなみに今回は中底の革を、イタリアのクロスタショルダー(1万2960円)にしました。この革は底材用にも使われるほど堅牢な革で、足馴染みがいいように加工した特注品です。繊維の目が詰まり、耐久性に優れているのが特長。中底がしっかりしていると靴の履き心地も良くなります。

アッパーのデザインは自由

オーダーするにあたりデザインは、イギリスの靴ブランド、チャーチの定番モデルとして知られるセミブローグ「ディプロマット」風にとお願いしました。ただし素材をスエードにしてみました。参考になる画像などがあれば持ち込んでイメージを伝えるといいですね。
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