照度均斉度と知覚
最小照度:最大照度が1:2は明るさの違いを認識します。実はよく見比べれば周囲より20%も明るければ、その違いに気づくと思いますが、注視しないとこの程度の照度均斉度はほとんど均一に見えます。以下同様に
1:3 事務室や教室などの周辺照度と机上面(作業面)との適正関係。作業しても目が疲れにくい対比といわれています。(写真2)
1:5 周辺照度に対して絵画やタペストリ面の明るさの適正関係。 (写真3)
1:10 照度差を明確に感じる。自然界の例でいえば、晴天の日中に生じる木陰と日向の関係に近いです。
1:50 白と黒の輝度比のように、ある対象を空間からドラマチックに浮かび上がらせたいときの照度比です。ハイライト効果があります。
1:100 明るく照らされている対象自体が発光しているように見せることができます。
このように照明対象をより効果的に見せるには、単に推奨照度が出ていれば良いだけではなく、周囲との照度比が重要になります。
照度対比はスマホで測定できる
照度の測り方は以前にも紹介しましたが、そこには当然、照度計が必要になります。照度計は安価なものでも数千円、精度が高くなるに従って一万円を超えます。一般に照度は体重計のようなものとは違って毎日測定するものではないので、数千円と言えども少し負担になります。写真4.アプリを使って照度を測ってみました
今回はPanasonicが出している「REPLE」という無料アプリを使用してみました。
それによるとかなり近い数字になった生徒もいれば、測定のやり方が良くなかったのか、誤差があった人もいました。
しかし、そのように照度値に違いがあっても照度対比で言えば大差がないと思いますので、一度お部屋の明るさのメリハリを図って見てはいかがでしょうか。
住宅における照度の均斉度ですが、周辺環境の明るさに対して、照明したい対象ができるだけ10倍を超えないことが求められます。
照度差(明暗差)が大きすぎると、目がどちらの明るさにも順応しようと足掻きます。特に長時間の視作業はその影響が大きく、眼精疲労の原因にもなりかねないです。
しかし、視作業以外の生活ではほどよい明暗差を意図的に演出することで、落ち着いた雰囲気を作ったり、逆に空間を活き活き見せたりして効果的です。
これからの照明は照度だけではなく、照度対比についても関心を持ってもらえることが奨められるでしょう。
【関連記事】
「照明の基礎講座1 照度を意識しよう」
「照明関連グッツ1 明るさと照度計」
Copyright(c)中島龍興照明デザイン研究所 All rights reserved.