マンション相場・トレンド/マンション相場・買い時

価格上昇で、どうする? 今買うためになすべきこと

不動産経済研究所発表の首都圏のマンション市場(5月度)によれば、新築マンションの価格は対前年比で5.3%の上昇。中古マンションも同様に上昇しています。工事費の上昇や用地不足、消費税の引き上げを考えると価格下落は考えにくい局面です。今後の動向と、今マンションを買うためになすべきことを考えてみました。

岡本 郁雄

執筆者:岡本 郁雄

マンショントレンド情報ガイド

新築マンションの供給戸数は、前年比13.4%のマイナス
価格は、5.3%の上昇 契約率は、78.9%と高水準を維持

不動産経済研究所発表の首都圏のマンション市場(5月度)によれば、2014年5月の新規発売戸数は4,300戸で、対前年同月比13.4%のマイナスです。月間契約率は、78.9%で前月比4.2ポイントアップ、前年同月比で0.9ポイントアップです。価格は、対前年比で5.3%の上昇。平米あたりの単価も4.2%上昇しています。

GW前後以降に集客開始した大規模プロジェクトの販売がこれからスタートします。新築マンション需要の動向がはっきりするのは、こうしたプロジェクトの売れ行きが判明する夏ごろになるでしょう。とはいえ、消費税アップ前の駆け込み需要の反動もあり一部の人気マンションを除き、やや落ち着いた動きです。
東京湾岸エリア

東京湾岸エリアのマンションの景色もこの1年で一変した

一方、中古マンションは成約件数のダウンが続いています。東日本不動産流通機構発表の2014年5月度の月例速報によれば、首都圏の中古マンションの成約件数は、前年同月比14.2%マイナスの2,638件。すべての都県で昨対比マイナスです。4月に続き2カ月連続で対前年比二桁のマイナスです。中古マンションの成約価格は、対前年比3.3%プラスの2,656万円。成約平米単価は3.1%プラスの41.34万円。対前年比では依然としてプラスを維持しています。

在庫は、前月より若干減少の33,842戸。成約件数の減少で在庫の減少トレンドがやや弱まっています。なお新規登録件数は久々にプラスに転じています。新規登録物件の増加が今後も続くのであれば、価格動向に影響が出てくるかも知れません。

価格上昇で、購入判断に迷い
購入メリットを再度確認しよう

価格上昇がより鮮明になった今年の春先以降、「もう買い時を逸してしまったのでは」といった声もききます。確かにこの1年で、マンション価格が上昇しているので購入判断に迷うのもうなずけます。

マンション探しを始めた多くの方は、きっかけとなった動機があったはず。まずは、そもそもなぜマンションを探そうと思ったのかを振り返って行動しましょう。

メジャーセブンのマンショントレンド調査第20回によれば、現在新築マンションを検討している理由の上位に挙がっているのは、次の項目です(2013年11月14日~2013年12月13日実施)

1位・・・もっと広い住まいに住みたいから(22.4%)
2位・・・資産を持ちたい・資産として有利だと思ったから(19.5%)
3位・・・もっと交通の便の良いところに住みたいから(18.4%)
4位・・・賃貸より持家の方が金銭的に得だと思うから(17.2%)
5位・・・老後の安心の為住まいを持ちたいと思うから(16.8%)

上記の結果を見ると、「資産を持ちたい」「賃貸より持家の方が得」の項目とともに、「広い家に住みたい」「老後の安心」といった項目が上位にきています。他にも「免震構造のような耐震性の高い建物に住みたい」が7位にくるなどマンション購入で実現できる暮らしを求めて、マンションを探している方が多いのがわかります。どうしようか迷っている方は、どういった動機でマンションを検討していたかを振り返ってみましょう。

先ほどの新築マンション、中古マンションの供給・成約データを見ると過去1年の上昇は平均すると5%前後。1年間に支払う家賃程度の上昇幅です。賃料を支払っている方なら、自宅を購入して賃料負担をなくすというのも一つの資産形成の判断でしょう。

次のページでは、これからのマンション選びの際の留意点を紹介します。


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