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金持ち体質が多用する「愛槌(あいづち)」とは何か

人間は壁や木に向かって話し続けることはできません。聞いてくれる相手がいるから話せる。聞き手が反応すればするほど、相手は会話に酔うことができる。だからこそ、人望を集める人は聞き上手なのです。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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お金が集まる人の相槌は「愛槌」

欲しい情報を引き出すには、あるいは貴重なノウハウを引き出すには、相手に気持よくしゃべらせる必要があります。

人間は壁や木に向かって話し続けることはできません。たまに人形や動物相手に話せる人がいますが、そう多くはないでしょう。

聞いてくれる相手がいるから話せる。聞き手が反応すればするほど、相手は会話に酔うことができる。だからこそ、人望を集める人は聞き上手なのです。
聞き上手になるポイントは「相槌」です。なぜなら、相槌とは「共感」を示す態度だからです。

ただし、「おれってバカだよなあ」と言われたときに、「そうですね」と反応するのは相槌ではありません。相槌は「愛槌」であると言われるとおり、自分は聞き役に徹し、相手がしてほしい反応をしてあげるのが本当の相槌です。相槌をするときに意識したいのは、「励まさない、慰めない、アドバイスしない」がポイントで、会話を促す言葉を継いでやることです。

たとえば誰かに「忙しい」と言われたとき、「大変っスね」「がんばってください」「休んだらいかがですか」というのは人間心理がわかっていない人の反応です。忙しいという人は、なぜ忙しいというのか?自分のことを振り返ってみればわかるとおり、そのほとんどは自慢であり、かまってほしいということです。だから励ますのではなく、自尊心を突いてやればいい。

「いや~でもすごいですよ、こんなに仕事を同時並行でこなすなんて、なかなかできないですよ!」とやれば、「言うほど楽じゃないんだよ」と言いながらも顔は笑顔になっていくものです。

愚痴も慰めたところでそう効果はありません。なぜなら、相手は聞いて欲しいだけの場合が多いからです。だから、「そう気を落とすなよ」というのは相手の欲しい反応ではありません。「いや~、それは落ち込むよな~、実はオレもそうだったんだ。」と共感してあげるのです。

よく言われることですが、女性からの相談も、解決方法をアドバイスしてはいけません。

「もう、今の会社、動きが遅くてイヤになっちゃう!」
「じゃ、上司に掛けあってみたら?」
というのはNG。なぜなら、女性の相談というのはすでに本人の中に答えが出ていて、ただそれを確認したい、正しいのだと背中を押してもらいたいだけだからです。

「もう、今の会社、動きが遅くてイヤになっちゃう!」
「そっか、それはムカつくよねえ。それでどうなりそうなの?」
「うん、上司に直談判しようかと思ってるんだ」
「なるほど、やってみる価値はあるかもね」
悩みや相談事を共有するというのは、二人の心理的距離感を近づける効果があります。だからこそ、これが男女なら、二人が恋に落ちていくこのパターンが多いわけです。

リアクション大魔王になる

お金持ちでも貧乏人でも、一緒にいて楽しい人、好感が持てる人とつきあいたいと思うものです。たまに自分に厳しくしてくれる人がいいという人もいますが、むしろ例外でしょう。そうわかっているのであれば、どう反応すれば相手が気持ちよくなるか自明です。

「どう反応すればいいかわからない」という人には、「ハヒフヘホで相槌を打て」という昔ながらの教訓が役にたちます。
「はあ~っ、素敵ですね~!」
「ひいっ、それは怖いですね!」
「ふうん、なるほどね!」
「へえー、それはすごいですね!」
「ほーっ!大したものですね!」

これでたいていの相手は自分から木に登ってくれます。返答に困ったら「ハヒフヘホ」と覚えておくとよいでしょう。(ただし、目上の人には「ふうん」は多様しないほうがいいですが)

あるいは、口下手な人に有効な方法に、「オウム返し」相槌があります。
「皇居でホタルを見たんですよ」と言われれば、同じセリフを繰り返すだけ。
「皇居でホタルですか!」
とやれば、難しい技術は必要ありません。
「部長にケツをまくってやったんですよ!」と言われれば、オウム返しで、
「えっ、部長にケツをまくった!」とやる。
「そう、そうしたら…」
「そうしたら…?」

相手は「自分の話をよく聞いてくれている」「自分の話を肯定してくれている」と映ります。ただし、あまりやり過ぎると小バカにしている印象をあたえる可能性もあるため、適宜ほかの相槌とうまく組み合わせるのがよいでしょう。

「それで稼げる人間になれるかどうかなんて、単純過ぎる」と感じるかもしれません。しかし「情報」が集まってくる人は、ほぼ例外なく聞き上手・相槌上手です。相手が話す時間が長いほど、自分は情報を得られるものです。つまり情報を引き出すコミュニケーションにおいては、「話し下手」な人間は意外に有利なのかもしれません。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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