ドラマ/大河・時代劇

大河ドラマの若返りは主演俳優だけじゃない(2ページ目)

最近は若手俳優の主演が多い大河ドラマ。その反動かベテラン待望論もでています。いつ頃から若手主演が多くなったのか、その理由は?データから分析します。

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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世紀の変わり目に

より細かく見ると世紀の変わり目がターニングポイントでした。2000年の39作目『葵 徳川三代』は徳川家康の津川雅彦、秀忠の西田敏行、家光の尾上辰之助(現・松緑)と三人体制。津川雅彦が当時60才と大河ドラマ史上最高齢主演を記録。西田敏行が52才、尾上辰之助は24才と年齢を下げていますが平均は38才。

2001年の40作目『北条時宗』和泉元彌の26才から若年化。『利家とまつ』唐沢寿明38才と松嶋菜々子28才、『武蔵』市川新之助(現・海老蔵)25才、『新選組!』香取慎吾26才、『義経』滝沢秀明22才、『功名が辻』仲間由紀恵26才と上川隆也40才と6作連続主演に二十代がいます。


制作スタッフも

若年化したのは俳優だけではありません。2000年『葵 徳川三代』の脚本を担当したジェームス三木は『独眼竜政宗』『八代将軍吉宗』に続いて大河ドラマ執筆三作目。その前年の『元禄繚乱』の中島丈博は『草燃える』『春の波涛』『炎立つ』と最多の四作目。またその前年の『徳川慶喜』の田向正健も『武田信玄』『信長』に続いて三作目と大ベテランが並んでいます。

しかし2001年から脚本家も若返り。朝ドラをヒットさせた中堅脚本家が起用されるパターンが目立ちます。井上由美子『ひまわり』から『北条時宗』、大石静『ふたりっ子』『オードリー』から『功名が辻』、大森寿美男『てるてる家族』から『風林火山』、田渕久美子『さくら』から『篤姫』『江』、小松江里子『どんど晴れ』から『天地人』、藤本有紀『ちりとてちん』から『平清盛』、山本むつみ『ゲゲゲの女房』から『八重の桜』のように。

あわせてNHKのスタッフも若返っています。第一作『花の生涯』から『赤穂浪士』『樅ノ木は残った』『元禄太平記』『風と雲と虹と』『草燃える』『徳川家康』『八代将軍吉宗』と、長年に渡り大河ドラマにかかわり「大河男」と呼ばれた大原誠ディレクターも『元禄繚乱』を最後に退職しています。

おそらく若い視聴者を狙って、戦略的にキャスト・スタッフの若返りをすすめたんでしょう。 それは宮崎あおい22才(月単位でみると滝沢『義経』を破る史上最年少)の『篤姫』を筆頭に成果をあげました。

 

中堅以上の方がヒットしやすい

しかし現在は若者のテレビ離れが進んでいるため、ドラマの主演俳優は若手よりも中堅以上の方が視聴率をとりやすいといわれています。大河ドラマも福山雅治(当時40才)主演の『龍馬伝』がヒットしたのが最後。その後は20代、現在放送中の『軍師官兵衛』の岡田准一はちょっとあがって33才になっていますが不振が続いています。

はたして『真田丸』がうわさ通り堺雅人になり、その後も若年化に歯止めはかかるのか、それとも例外に終わるのか? 今後も注目です。
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