これ以上惨劇を繰り返さないために
東北に元気を届けるはずの握手会で悲劇が起きました。刃物を持った男によって、手首に裂傷を負ったAKB48の川栄李奈、入山杏奈、アルバイトのスタッフたち。幸いなことに彼女、彼らは順調な回復を見せているらしいですが、今後のアイドル業界にとっては深刻な「後遺症」を抱えることなったのは間違いないでしょう。この事件を受けて、「若い女性を危険にさらす握手会は廃止すべき」といった意見も見受けられました。しかし、大勢のファンが楽しみにしてきた握手会を止めてしまうことは、あまりにもリスクが大きすぎる気もします。
いずれにしても、我々はこの事件についてもっと深く考えるべきではないでしょうか。いつの間にか事件は収束してしまった感のある現状に、あえてさざ波を立てさせていただきます。
複雑な握手会のシステム
そもそも「握手会」とはどんなシステムなのでしょうか。アイドルファンでなければ詳しいところはうかがい知れないでしょう。AKBに限れば、「全国握手会」と「個別握手会」という2つに分かれているそうです。今回の事件は「全国」の方で起きてしまったものです。両者はシステム上、さまざまな違いがあるものの、安全面から見た場合に大きく違うのは、「個別」は事前予約が必要という点。つまり握手の前に個人照会が済んでいる訳です。この方法はすべての握手会に取り入れるべきではないでしょうか。
あらかじめ名前を知られていることは、絶対的な防止策ではないものの、犯行をためらわせる大きな抑止力となる筈です。暴言犯罪未満の迷惑行為なども大幅に減少するかと。また、今回のことをきっかけに金属探知機が導入されることになったそうです。もちろん一定の効果はあるとは思いますが、現在ではセラミック製の刃物など非金属でも危険なものはたくさんあるので、さらなる対策が必要では。
