系列ホテルが割安価格で何度でも泊まれる
桐谷さん注目のJ-REIT優待とは
REITとは、投資家たちから集めた資金で、オフィスビルや商業施設、マンションといった不動産を複数購入し、その賃貸収入や売買益を投資家に分配するという金融商品。
「REITの銘柄は私もいくつか持っていますが、利回りが5%くらいあるものも少なくない。最近また株価が上がってきましたね。私もいくつか買い増ししましたヨ」
桐谷さんが注目しているのは、ホテル宿泊が割安になるこんな銘柄――。
「おススメの優待銘柄は、大和ハウス・レジデンシャル投資法人<8984>。去年の8月から優待を始めたんですが、全国26か所のダイワロイヤルホテルズの宿泊が何度でも、1泊朝食付(1室2名以上)で1人7780円に、夕食も付くと1万2500円になるんですヨ(繁忙期を除くなどホテルによって違いあり)。私も去年の7月26日に、家族で高知へ旅行に行って、土佐ロイヤルホテルに泊まってきましたが、非常に快適でしたヨ。通常は、1人1万円以上かかる部屋だからおトクですよね。ちなみに、配当は3.99%。でもねえ…」
そう言うと、急に眉間にシワを寄せる桐谷さん
「何度も言っているように、“タダにならなきゃ意味がない!”が私の優待ポリシー。何割引じゃ弱すぎる…。そういうのもあって、実はまだこの銘柄を買い増すかどうか検討中なんですヨ」
「分散投資」で負けない株式投資を
今年1月には、1万6000円台をつけた日経平均株価も、年初からジリジリ下げて5月には一時1万4000円台を割り込む場面も…。以前は、1日40銘柄くらいの売買を繰り返していたという桐谷さんも、最近は随分その数を減らしていると言います。しかし、負けていない理由は、しっかり「分散投資」しているから。
「去年、ある雑誌の取材でオススメ10銘柄を挙げたんですが、年初から日経平均は10%下がっているのに、私の挙げた10銘柄はトータルで10%以上も株価を上げたんです。もちろん下がっている銘柄もありますが、チムニーなどの好調な銘柄が、それ以上に上げたから、トータルでは勝っているわけです。分散投資をすれば、下がる銘柄があっても、好調な銘柄が押し上げてくれるから負けづらい。負けない投資を続けていれば、必ず勝ちを掴めますヨ」
※株価、利回り等は取材時のものです
★桐谷さんの連載は次回に続きます!
桐谷 広人さんプロフィール
1949年広島県出身、将棋棋士・投資家。日本テレビ系のバラエティ番組『月曜から夜ふかし』で現金を使わず、株主優待のみで生活をする姿が話題になった。現在はテレビ、雑誌、書籍などで幅広く活躍し『桐谷さんの株主優待生活』など著書多数。
取材・文/西尾英子 撮影/松本英明