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パリの最新コーヒー登場 COUTUME(クチューム)青山店(2ページ目)

急成長するパリの新しいコーヒー文化をリードする一軒、COUTUMEが東京・表参道に上陸。サードウェーブ・コーヒーに共通するスタイルながら、アメリカ発のコーヒームーブメントとはまたひと味違うフランス的美意識のもとで、高品質の豆を使った一杯を楽しませてくれます。

川口 葉子

執筆者:川口 葉子

カフェガイド

フランス人はコーヒーが大好きだが…

「フランス人はコーヒーが大好きだが、じつはコーヒーについて何も知らず、ただ苦いだけの水っぽいコーヒーばかり飲んでいます。豆本来のポテンシャルを引きだした風味を楽しめていません」とCOUTUMEのオーナー、アントワンさん。
ロゴの3つの円が意味するのは「クオリティの連鎖」。上から時計回りにそれぞれ「焙煎」「抽出」「原豆」を表しています。

ロゴの3つの円が意味するのは「クオリティの連鎖」。上から時計回りにそれぞれ「焙煎」「抽出」「原豆」を表しています。


その理由について、彼はフランスのコーヒー史を交えてこう説明します。
「フランス人にとってコーヒーは気付け薬であり、『目を覚ますもの』『元気になる飲みもの』という感覚。もともとコーヒーは王侯貴族の飲みもので、ルイ15世はコーヒー好きとして知られていましたが、市民に広まったのはフランス革命後。これはロブスタ種の安くてまずいコーヒーで、人々は砂糖を加えて気付け薬として飲んでいたのです」

1920年代、パリの五つ星ホテルや高級レストランでは1834年にイギリスで考案されたサイフォンが愛用され、給仕たちがお客さまのテーブルでサイフォンを使ってコーヒーをサーブしていた時期もあったそうですが、「その後は安さ優先の商業的コーヒーが幅をきかせ、70年代のフランスではアラビカ種のコーヒーは高くて売れませんでした」

これ以降2010年代になるまで、「味より価格」というフランスのコーヒー事情に本質的な変化はなかったようです。

メルボルンからロンドンへ、そしてパリへ

パリのCOUTUMEで焙煎しコーヒー豆を空輸して東京・青山店へ。購入して自宅で抽出し、品質の高さを再認識しました。青山店のためのスペシャルブレンドはエスプレッソに適し、ミルクチョコレートの甘み、クルミの風味、デリケートな後味が特徴。

パリのCOUTUMEで焙煎したコーヒー豆を空輸して東京・青山店へ。購入して自宅で抽出し、品質の高さを再認識しました。青山店のためのスペシャルブレンドはエスプレッソに適し、ミルクチョコレートの甘み、クルミの風味、デリケートな後味が特徴。


もっとおいしいコーヒーが飲みたい。産地ごとの個性が感じられる多様なコーヒーを楽しみたい。近年、そんな関心が世界的な潮流となり、日本のコーヒーシーンにも多大な影響をもたらしています。

ムーブメントの先進国とされるのが北欧、北米、オーストラリアなどの国々。その流れはヨーロッパにも伝わり、「まずロンドンでコーヒーブームが始まりました」とアントワンさん。

ロンドンのスペシャルティコーヒーの火付け役はメルボルン出身のバリスタたち。かつてイギリスの植民地だったオーストラリア・メルボルンは、世界的に知られるカフェシティなのです。

「メルボルンの優秀なバリスタたちがヨーロッパへ渡った影響で、、ロンドンのコーヒーカルチャーが飛躍的に高まり、2004年の時点で48軒ほどコーヒー店が誕生していたそうです」
そう語るアントワンさんもフランス出身ながら、初めてコーヒーの魅力に開眼した舞台はメルボルン。彼は狩野さんに「5杯のエスプレッソが僕の人生を変えた」と語っています。
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