高額療養費制度、どう変わる?
所得区分が3つの現行制度は、「上位所得者」と「低所得者」を除いた「一般」に幅広い層が含まれる仕組みで、この「一般」に分類された所得の低い人の負担が重くなってしまうという課題がありました。今回の改正では、自己負担の月ごとの上限額を決める「所得区分」を5つに細分化し、個々の能力に合った負担を求めるきめ細やかな制度へと改善されることになります(70歳未満の場合)。
所得区分と1月毎の限度額は、世帯の構成などそれぞれの条件によって異なってきます。夫婦2人と子ども1人のケースで見直し後をみると、おおむね……
・年収1160万円以上が25万2600円
・年収770万円以上1160万円未満が16万7400円
・年収370万円以上770万円未満が8万100円
・年収370万円未満が5万7600円
・住民税非課税の低所得者が3万5400円
となります。
現行の制度と比較すると、年収が770万円以上の人の負担が増え、住民税非課税ではない年収370万円未満の人が楽になります。
かかった医療費が100万円だった場合を見てみましょう。
年収370万未満の世帯は、現行8万7430円から2015年1月からは5万7600円になるので、2万9830円。3万円近く負担が軽減されます。
一方、年収770万円~の世帯は、1万6820円負担増。1160万円~は9万9180円と負担が重くなります。健康保険組合に加入している場合は、上限額は2万、3万円のところもあります。組合の規約を確認しておきましょう。
この機会に、民間の医療保険を見直しも行い、イザというときに備えましょう!