公的年金の給付
年金はいつからもらえる?
日本の公的年金は世代間扶養のしくみなので自分が納付した保険料を自分の年金の財源に積み立てしていくものではありません。ただし、保険料を滞納したり年金制度に加入しない場合は、将来年金を受け取るための要件「受給資格期間」が満たせなくなります。受給資格期間を満たすには、原則として国民年金に25年以上加入し、保険料を納付することが必要です(受給資格期間の詳細は「35歳まで!年金加入期間を必ずチェック」をご覧ください)。
受給資格期間を満たして、老齢年金が受給できる年齢になると、第1号被保険者または第3号被保険者だった人は、国民年金のみに加入していたので、国民年金から支給される老齢基礎年金、第2号被保険者だった人は、国民年金と厚生年金の両方に加入していたので、国民年金から支給される老齢基礎年金と厚生年金から支給される老齢厚生年金が受給できます。
厚生年金から支給される老齢厚生年金は、60歳から65歳になるまで支給される「特別支給」の老齢厚生年金と、65歳以降支給される老齢厚生年金の2つの年金があります。なお、特別支給の老齢厚生年金はその支給開始年齢が段階的に引き上げられています。
特別支給の老齢厚生年金は「定額部分」と「報酬比例部分」の2階建ての年金になっていますが、まず定額部分の支給開始年齢が徐々に引き上げられています。男性の場合、昭和24年4月2日以降に生まれた人には定額部分が支給されていません。女性の場合は男性より5年遅れで支給開始年齢が引き上げられているので、昭和29年4月2日以降まれの人から定額部分が支給されなくなります。定額部分が支給されなくなった後、報酬比例部分の支給開始年齢が徐々に引き上げられます。男性は昭和28年4月2日以降生まれ、女性は昭和33年4月2日以降に生まれた人から報酬比例部分の支給開始年齢が61歳になり、2年刻みで1歳ずつ支給開始年齢が引き上げられます。最終的に、男性は昭和36年4月2日以降、女性は昭和41年4月2日以降に生まれた人は老齢厚生年金も65歳からの支給になります。
日本の公的年金は「国民皆年金」なので、原則20歳以上の人は必ず年金制度に加入しなければなりませんが、自分で保険料を納付する第1号被保険者では、残念なことに25~34歳の保険料の滞納率が30%を超えています(厚生労働省「平成20年国民年金被保険者実態調査」より)。若い世代から「年金はあてにならない」という声を聞くことがありますが、現役世代が納付している保険料は高齢者世代の年金の財源です。若い世代も「自分の両親や祖父母の年金を自分の保険料が支えている」と思って年金制度を理解していくことが大切でしょう。
また、若い世代の人でも万一のとき、障害や死亡を理由とした年金を受給する可能性があります。もし、保険料を滞納しているときに障害の状態になっても障害年金を受給することができません。自分自身のため、自分の親の世代を支えるためにも、公的年金制度を正しく理解し、保険料を納付するようにしましょう。
※この記事は、掲載当初協賛を受けて制作したものです。
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