盆栽/盆栽の育て方の基本

「盆栽のある暮らし」で心も体も健康になろう!

盆栽を趣味にすると、どんな風に暮らしが変わるのか。単に植物を育てて、形を整えて愛でる、飾る、ということだけが盆栽の楽しさではありません。今回は、盆栽のある暮らしが私達にもたらしてくれる効能をご紹介します。

山田 香織

執筆者:山田 香織

盆栽ガイド

実感できる変化

1.季節に敏感になる
初夏を感じて

山アジサイの開花に初夏を感じて

盆栽は家の中でずっと育てることはできません。ベランダや玄関先、庭先などで直射日光に十分当てて育てることが、盆栽の健康の大前提です。すると暑い、寒い、風が強い、弱い、湿度が高い、低いといった天候にアンテナが立ちます。なぜなら、天候によって盆栽の水の乾き方が変わるからです。雨があたる場所で育てていれば、例えば「今日は雨だから、水やりはいらないな」と思いますよね。

はじめは気候に敏感になり、続いて四季に敏感になります。「ケヤキの新芽が伸びてきたから、春だな」「モミジの紅葉がはじまったから秋も深いな」と感じられるようになります。

サツキ

美しいサツキの花

そして、我が家に巡る自然の摂理に感動したりします。
「実家の裏山の桜は咲いたかな」「田植えは終わったかな」「山開きしたかな」「紅葉しているかな」「初雪かな」と、自宅にいながらにして自然へ思いを馳せたりするようになります。季節感に敏感になることで、心がやわらかくなるのを感じるでしょう。



 
2.生活のリズムが整う
モミジ

水滴のついたモミジの盆栽 涼しげ!

盆栽は生き物ですから、毎日の水やりが欠かせません。ペットを飼ったことのある方でしたらイメージがわきやすいと思いますが、ペットのお世話が生活の一部分に組み込まれますよね。盆栽も同じです。その一つが水やりです。生活が整う一番の理由が、水やりです。

たとえば、春・秋は1日1~2回の水やり、夏は1日2回、冬は2~3日に1回と季節によって頻度は変わりますが、いずれにしても最低でも1日1回は盆栽のところへ行くわけです。この習慣が、ポイントです。

 

トウカエデ

水やり後のトウカエデ  満足げ

自分の生活のどのタイミングなら、1日1回盆栽の顔を見にいかれるのか。朝の時間か、午後の時間か、夕方かと一番効率の良いタイミングを考えるようになります。子育てともよく似ています。子供を持つ前は、比較的自分のペースで家事をこなしていても作業は終わりますが、子供を持つと子供が寝た後の方がはるかにはかどることに気づき、家事の段取りを考えるようになります。これと一緒です。

自分が余裕をもった気持ちで盆栽の顔を見にいかれるように、生活の流れを少し見直すことで、自然とリズムが生まれます。春や秋のリズム、夏のリズム、冬のリズムと季節で少しずつ変えながら、いつの間にか自分の生活のリズムに規則性が生まれ、整う。自分が少し大人になったように感じるでしょう。


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