熱狂的サッカーファンと少年サッカーファンを描いた英国映画
『シーズンチケット』(2000年度作品)
ニューキャッスル・ユナイテッドの試合を見ることが夢の少年ふたりが、お気に入りの試合が見られるシーズンチケットを買うために奮闘する物語。
スポーツ観戦のチケットって、けっこうお高いんですよね。裕福ではない家庭の少年に降りかかる厳しい現実は胸にチクリと痛いけど、サッカーファンだけでなくスポーツファンなら、彼らの気持ちわかるはず。憧れの選手を追いかけて夢中で試合を見ては一喜一憂していた子供時代を思い出すでしょう。
こんな風に純粋な気持ちでワールドカップサッカーも観戦したいし、またこういう気持ちでサッカー見ている少年たちは、今、世界中にいるだろうなぁと映画を見ながらしみじみ……。マーク・ハーマン監督作はいつも恵まれない環境で生きる人を描きつつも、ユーモアがあり、まなざしが温かいから本当に癒されます。
監督:マーク・ハーマン 出演:クリス・ベアッティ、ロイ・ハッド、グレッグ・マクレーン、チャーリー・ハードウィック
『フーリガン』(2005年度先品)
ワールドカップサッカーに燃えるサッカーファンは世界中にいますが、特に英国のフーリガンは悪名高いですね。この映画は、挫折した青年が初めて見たサッカーの試合に興奮し、フーリガンの仲間になっていく姿を描いています。
だんだん贔屓チームを熱狂的に応援する行為から逸脱して、不良同士のぶつかり合いの様相を見せていくプロセスがちょっと怖い。友情や贔屓チームへの忠誠心はけっこうだけど、暴力からは何も生まれないのでは……と思ったけど、これはフーリガン経験が主人公を成長させていく物語でもあるのです。
応援団はプレーする選手にとってはありがたい存在だけど、ときどきちゃんとプレーを見ているのか?という過激な応援団もいますよね。他人のふり見てわがふり直せ的な意味合いでも、熱狂的な応援とは?と、客観的に見られる映画かもしれません。
監督: レクシー・アレクサンダー 出演:イライジャ・ウッド、チャーリー・ハナム、クレア・フォーラニ、マーク・ウォーレン、レオ・グレゴリーほか
※ほかにもゾンビがサッカーをする『ゴール・オブ・ザ・デッド』はサッカー選手がゾンビ化するというフランスの珍サッカー映画。サッカー選手の人生を描いた正統派サッカー映画『GOAL!』、SMAPのサッカー映画『シュート!』もありますね。
サッカー映画といっても、サッカーそのものを映し出すのもあれば、サッカーを通してファンや家族を映し出す映画もあります。いろんな角度から映画を通してサッカーを見て、サッカーワールドカップ観戦へと気持ちを盛り上げてくださいね。