世界最弱のサッカーチーム&日本代表を追いかけたドキュメンタリー
『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦』(2014年度作品)2001年FIFAワールドカップ予選で、オーストラリア代表に0対31で敗れ(国際Aマッチで最大点差)なんと公式戦30試合で200点の失点&全敗という不名誉な記録を持つサモア代表はアマチュアサッカー選手。仕事をしながらサッカー練習に励む彼らは弱い代表チームだけど、サッカーが大好きだからやめません。そんなチームにオランダから鬼コーチがやってきた!というドキュメンタリーです。
選手はみんな個性派で、中にはトランスジェンダーの選手もいます。「自分は男でも女でもない、性別を言うならサッカー選手」と語る彼は試合の前にメークしたりするけど、サッカーに人生を懸けています。しかし、そんな個性派の選手たちの上をいくのが鬼コーチのロンゲン。彼はサモアのノンビリ空気を切り裂くような大声でサモア代表を厳しく鍛え上げます。
すべてをコントロールしようとするロンゲン監督に対して、自由にノビノビやってきた選手は、最初は相容れないけれど、監督の本気が少しずつチームを変えていく、士気を挙げていくのですよ。そして勝ちたい!という強い気持ちを持つようになるのです。そしてロンゲン監督は勝つために必要な事を教えてくれる。監督はきっぱり言い切る人なので名言もありますよ。
選手と監督のキャラクターは立っているし、ストーリーも王道のスポーツ漫画みたい。でもこれは最弱チームが勝利へと向かっていくドキュメンタリーなのです。ちなみにサモア代表、ブラジルワールドカップは予選敗退しているので出場はしていません。でも予選は頑張りました!その成果をぜひ本作で見てください。
監督:マイク・ブレット、スティーヴ・ジェイミソン 製作:クリスチャン・ブロディ 撮影: スティーヴ・ジェイミソン
※2014年5月17日からオンデマンド配信中(ひかりTVなど)
角川シネマ新宿、シネリーブル梅田(~5月30日まで)
プレビ劇場ISESAKICINTMA(6月7日~20日まで2週間限定公開)
ユナイテッド・シネマ福岡(6月14日~27日まで2週間限定公開)
(c)Next Goal Wins Limited.
『六月の勝利の歌を忘れない 日本代表、真実の30日間ドキュメント』
2002年日韓共催となったワールドカップで闘った日本代表に密着したドキュメンタリー。映画監督の岩井俊二が編集を担当したことが話題になった作品です。
オフでは少年のようにじゃれあい、楽しそうな選手たちが、ピッチに立つと獲物を狙うような目つきに変わる。そんなサッカー選手のオンとオフ、当時の日本代表トルシエ監督と選手の関係性などが、ドキュメンタリーから浮き上がってきます。
あのとき選手たちは何を思い、どうしようと考えていたのか……。また、エンタテインメントを熟知した岩井俊二監督の編集ですから、ただのワールドカップの記録ではなく、見せる要素、惹きつける要素をしっかり捉えています。サッカードキュメンタリーの傑作として語り継がれている作品です。
監督・編集:岩井俊二
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