退職金づくりのための公的な制度。月額1000円から

個人事業主が自分で退職金を作るための仕組み、小規模企業共済

個人事業主が自分で退職金をつくるための仕組み、小規模企業共済

会社員の老後を支えるのは公的年金と退職金ですが、自営業者(個人事業主)には退職金がありません。

そこで国が1965年、経営者である自営業者の退職後生活が安定するようにと発足させたのが、「小規模企業共済」。個人事業主が事業を廃止したり、会社役員が退職したりした際に、掛金に応じた「共済金」が受け取れる制度で、計画的に退職金(老後資金)をつくることができます。

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しており、委託団体(商工会議所、青色申告会など)か、代理店(銀行や信用金庫などの金融機関。扱っていないところもある)で加入の手続きをします。

●どんな人が加入できる?
加入できるのは、常時使用する従業員の数が一定以下の個人事業主や経営者、弁護士法人、共同経営者など。従業員の人数の規定は業種によって異なり、建設業や製造業では20人以下、商業やサービス業(宿泊業・娯楽業を除く)では5人以下などとなっています。フリーランスとして働く人も加入できます。

●毎月の掛金はどれくらい?
掛金月額は月額1000円から7万円の範囲、500円単位で自由に決めることができ、掛金と加入月数に応じた共済金を将来、受け取る仕組みです。事業を続けている限り、年齢に関わらず掛金を払い続けられ、加入期間が長いほど共済金が増えていきます。

●掛金は後から変えられる?
掛金月額は増額・減額ができ、経営の悪化や疾病、負傷など、一定の理由があれば1000円まで減額が可能。職種によっては収入が安定しにくいため、「ずっと払い続けられるか」という不安がつきまといますが、減額ができるので安心して始められるでしょう。所得がない場合や災害に遭遇したり、入院したりした場合には、6カ月、または12カ月、掛金の納付を停止することもできます。

節税効果あり。もしものときには貸付も受けられる

小規模企業共済には、掛金全額が所得から控除され、所得税と住民税が軽減される節税効果があります。受け取る共済金も、一括で受け取る場合は退職所得扱い、分割で受け取る場合は公的年金等の雑所得扱いとなり、一般的な金融商品より税制上で有利です。

また会社経営などでは急な資金が必要になることもありますが、小規模企業共済では、納付した掛金の範囲で事業資金などの貸付けを受けることができます。掛金の7~9割(掛金納付月数による)で、上限は原則1000万円。担保や保証人なしで資金が借りられるのは心強く、個人事業主にとって大きなメリットといえるでしょう。

傷病や災害時、新規事業展開に伴う資金なら利率は0.9%、事業資金などの貸付(一般貸付)は1.5%などで、民間の金融機関から融資を受けるよりずっと低金利です(2014年5月現在。返済が滞ると遅延利子が発生)。

次のページでは、小規模企業共済の「受け取り方」について解説します。