音楽隊が目指した自由の都、ブレーメン
音楽隊が夢みたブレーメンは、活気あふれる素敵な街
グリム童話「ブレーメンの音楽隊」で、世界じゅうにその名を知られるブレーメン。子どもの頃、誰もが一度はこの絵本を読んだことがあるのではないでしょうか。ロバ、犬、猫、鶏の4匹が音楽師になろうと目指した自由の都、ブレーメン。彼らは旅の途中で居心地の良い住処をみつけ、結局ブレーメンにたどり着くことはありませんでした。登場しないまま終わってしまったブレーメン……なんだか良さそうなところだけどどういう街なんだろう?って想像をふくらませた人も多いことでしょう。
実際のブレーメンはというと、 彼らが想像したとおり(あるいは想像以上かも?)魅力あふれる素敵な街で、現在はメルヘン街道の発着地としてたくさんの旅行者で賑わっています。知っているようでじつは知らなかったブレーメンの街を、ここでじっくりみていきましょう。
ブレーメンへのアクセス
鉄道:ハンブルク中央駅から特急ICで約1時間。フランクフルトから約4時間。ベルリンから約3時間。
長い歴史と自由な気風に彩られたチャーミングな街
1200年の歴史を持つ古都ブレーメン。旧市街のマルクト広場には世界遺産の市庁舎ほか貴重な建造物がたくさん
ブレーメンはドイツ北部ハンブルクの約70km西に位置する港町で、ハンブルクに次ぐドイツ第二の貿易港。海から50kmほど遡ったヴェーザー川沿いに位置し、ヴェーザー川河口の港町ブレーマーハーフェン市とで構成されるドイツ最小の州、ブレーメン州の州都でもあります。
あちこちにいる音楽隊をさがしてみて!
1200年もの歴史を持ち、中世にはハンザ同盟の自由都市として発展したブレーメンには、当時の面影を残す町並みや建築がいたるところで見られます。世界遺産にも指定されている豪壮な市庁舎や自由を象徴するローラント像、中世の街並みを再現したレンガ造りのベトヒャー通り、石畳の路地に小さなお店が軒を並べるとっても可愛いシュノーア地区など、見どころがもりだくさん。そしてなんといっても、この街一番の人気者はブレーメンの音楽隊。4匹をモチーフにした像やお土産物などに、あちこちで出会うことができます。
また、古い歴史とは対照的に、ブレーメンでは科学や宇宙の研究が盛んに行われているのも興味深いところ。郊外にある体験型の科学ミュージアム「Universum」では、人・地球・宇宙をテーマに実際に触れて学べるアトラクションが充実しています。
ブレーメンはドイツでも10番目の大きな街ですが、観光のメインとなるのは市庁舎を中心とする旧市街。おもな見どころは徒歩でまわることができるので、街歩きを楽しみながらのんびり散策してみてください。
次のページでは、旧市街の見どころと歩き方をご案内します。