株価暴落への対策としては3つの方向性が
株価が暴落したら、どういう対策をとりますか?平和なときだからこそ対策を考えておきましょう。大きく分けて、対処策は3つあります。
1、売り逃げる
2、ヘッジしておく
3、買い増す
暴落したら売り逃げる
第一の「売り逃げ」は、だれでも選びそうな道です。下がる前に売り抜けることができれば損害はありません。しかし、なかなかうまくはいきません。なぜなら、売る決断がつかないからです。ほとんどの人が「売り逃げたい」と思ったときは、実は相場の大底になります。「売り逃げ」で資産を守るためには、相当に早く暴落を予測し売り注文をしなければなりません。しかし、暴落が来ると思って売っておいたら、大反発してしまったなんてことがよくあります。今度は、機会利益の損失となります。簡単なようで、むずかしいのが「売り逃げ」なのです。
意外と快適な対策は、暴落を予測して売ることよりも、満足できる時価になったら売っておくことです。心がほっこりしたら、いったん利益確定。欲張らない人には、暴落も関係ありません。ただし、取り逃がした利益を後悔しない覚悟が必要です。
暴落に備えてヘッジする
第二のヘッジですが、たとえばVIX指数を買っておくのです。VIXとは恐怖指数とも呼ばれ、株安を恐れる人が増えるほどに指数が上がります。逆に平穏に株価があがるときは下がります。平時に、VIX指数を仕込んでおけば、暴落局面が来れば、指数は2倍3倍になります。【参考記事】「株価は歴史的な割安水準」
たとえば、リーマンショックのときのように、半年で資産が半分になるとしたら、全資産の3分の1をVIX指数に置いておけば、普通資産の損失はヘッジ指数の利益と通算してチャラになります。
普通資産;4/6 + ヘッジ資産;2/6 = 6/6
前者が半分になり後者が2倍になれば……
2/6 + 4/6 = 6/6
となり、やはり合計は6/6と変わりません(損失はありません)。
しかし、VIX指数は暴落が来ないと報われない資産です。しかも、長期保有には向いていません。平時には増えない資産に、万が一のときのヘッジ目的で、3分の1もの資産を寝かしておくことになります。これも、なかなか感情的には難しい対策です。
このように、暴落から逃げるというのは、言うは易く行うは難し。実にハードルが高い行動です。
暴落したら買い増す
最後の対策が、暴落時に買い増すことです。買う(追加投資)だけでしたら、損失が出ることは防げません。やはり投資していた資産は半分に減ります。しかし、違うのはその後です。
暴落した資産もいずれは回復するとします(通常は5年あれば戻ります)。たとえば、投資時価が半分に減るときに、全資産の3分の1を現金で持っていて買い増しができれば、5年後の収益は1.33倍に増えます。
全資産の推移を、3段階の計算でご確認ください。
暴落前に、全資産は1ありました。
普通資産;4/6 +現金;2/6 = 6/6
暴落時は、前者が半分になり後者は不変です。
2/6 + 2/6 = 4/6
しかし、そこから5年経って暴落前に戻ったとすれば、
4/6 + 4/6 = 8/6
資産は1.33倍に増えています。利回りで表現すれば13%です。これは、立派な数字ですね。このような手法で、リーマンショック時に資産を増やした人が何人もいます。暴落が近いと感じたら、手元に投資できる現金を増やしておくという備え。これが、意外と確実な方法だと思います。実は、世界一の投資家たるウォーレン・バフェットがやっているのも、この方法なのです。
たとえ暴落にならなかったとしても、現金を手元に置いておくだけなので、そのデメリットはそれほどありません。
ただ、大底の中で買っていくには相当な勇気が必要なこともお忘れずに。