女性向けの入門書
最近出版されて話題になったのが、馬場千枝(ばば・ちえ)氏の『切手女子のかわいい収集BOOK』(PHP研究所、2014年)です。女性の視点から切手の楽しみを発展させていくヒントが綴られた本ですが、切手収集の基本も具体的な事例とともに手際よく押さえてあります。また、加藤郁美氏の『切手帖とピンセット』(国書刊行会、2014年)は東ヨーロッパ(旧共産圏)の切手をセンス良くデザイン本に仕立てた好著です。美術館で見るような芸術作品ではなく、日常生活の中に溶け込んだ消費財として切手アートを味わう試みとなっていて、見る人の目を楽しませてくれます。装丁にもこだわっていますので、ぜひ手に取っていただきたい本です。
英語で書かれた入門書
英語が得意な方には、ジェームズ・マッケイ(James Mackay)氏の『切手と切手収集(Stamps and Stamp Collecting)』がお薦めです。国別収集やテーマ別収集など、様々な切手収集の手法やコレクションの作り方を伝えるオリエンテーションのような本で参考になります。また同じ著者による『切手のギネスブック(The Guinness Book of Stamps)』は、切手や郵便に関わる様々な世界記録を紹介した本です。ここまでタイプ別にいくつかの切手入門書を紹介してきましたが、「実際に切手収集家と会って話を聞きたい!」「切手コレクションを見てみたい」という方も多いのではないでしょうか。次回の記事では、国内で開催される主な切手イベントについて取り上げたいと思います。