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借金するのが怖くなるドラマ3選(2ページ目)

借金を負ったことで主人公が非日常の世界に踏み込むというのは、ドラマの定番パターンの一つ。そんな借金ドラマの傑作を紹介します。これを見ると怖くて借金ができなくなる?

黒田 昭彦

執筆者:黒田 昭彦

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『お金がない!』

「亡き親が残した多額の借金を抱えながらも、二人の弟といっしょに楽しく暮らす萩原健太郎(織田裕二)。しかし、つとめていた町工場が倒産し、家賃滞納でアパートから追い出され、借金も払えない状態になってしまう。そこで奮起した健太郎は、大手外資系保険会社のビルメンテナンスをとっかかりに、大口契約奪還に貢献することで正社員として採用されることに。さらに成功していく健太郎を通して、真の幸せとはなにかを描く」

調子よく出世していく健太郎は、青島刑事と並び織田裕二にピッタリのキャラ。フジ系の名古屋に本社がある東海テレビでは好評のため毎年のように再放送しているそうです。

脚本の両沢和幸はにっかつ撮影所勤務でしたが、93年ににっかつが会社更生法の適用により事実上倒産。管理職であったため後始末に苦労したそうで、それが94年のこのドラマに生きています。

借金ドラマでは借金取りはたいてい恐ろしい存在として描かれますが、『お金がない!』の借金取りは今井雅之・高杉亘が演じる強面コンビ。最初はたしかに怖いけどどだんだん愛嬌がでてくるのもポイントです。

 

『淋しいのはお前だけじゃない』

「沼田(西田敏行)はやり手のサラ金取り立て屋。暴力団の大物・国分(財津一郎)は裏切った愛人とその浮気相手、旅芝居の座長(木の実ナナ)と女形(梅沢富美男)に復讐のため巨額の借金を負わせ、それを沼田に取り立てるよう命じる。沼田は昔の縁から二人を逃がそうとするが、それがバレて自らも借金の連帯保証人にさせられてしまう。しかし客演で招かれた舞台で、二人に万札のおひねりが雪のように降ってくるのを見て、借金で苦しんでいる連中を集めて一座を組み一発逆転を狙うのだが……。」


この作品を見ていないドラマ好きの人に一番わかりやすい説明は「『タイガー&ドラゴン』の元ネタ」でしょう。西田敏行、借金、古典大衆芸能(落語と大衆演劇)の三題噺で、ドラマの構成も登場人物が劇中劇を演じ、その劇中劇が本筋にリンクしてくるところまで『タイガー&ドラゴン』と同じ。他にも作品をきっかけに梅沢富美男がメジャーブレイクし、劇中で踊りのバックに使われた「矢切の渡し」がヒットするなどいろいろなところに影響を与えました。

複雑な社会とそこに生きる人間の現実と並行してノスタルジックな世界を描き、夢と現実をごちゃまぜにすることによりファンタジーでいてそれでいてリアルで毒のある大人の寓話をつむぎだしています。

放送された1983年前後はサラリーマン金融(いまでいう消費者金融)の過酷な取り立て、サラ金問題がクローズアップされており、1984年には上限金利が引き下げられました。

放送当時は低視聴率でほとんど再放送もなく、長らく隠れた名作でしたが、DVDが発売されてから知名度が高まり、2011年にはこのドラマが好きだったという中村獅童主演で舞台化されています。

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