切手収集/切手収集入門

切手の値段の決まり方(3ページ目)

いざ切手を入手しようと思って切手商の店頭を訪れると、すぐにカタログ評価額と実売価格の間には大きな開きがあることに気付くことでしょう。ここでは「裕仁立太子礼10銭」を例に上げて、カタログ評価額と運用の仕方について説明していきたいと思います。

板橋 祐己

執筆者:板橋 祐己

切手収集ガイド

どんな切手を選びたいか

糊の疲れた「冠」

光にかざして観察したり、斜めから見たりすると状態がよく分かる。

特に理由がなければ、切手の状態はヒンジ跡無し(NH)か、軽いヒンジ跡(LH)までであり、かつ美品(F)以上のものを選んで入手したいところです。将来売却する時に状態の悪い切手は売りにくくなりますので、やはり状態の良いものを選んで買うのが無難です。

もし「冠」のヒンジ跡の無い未使用極美品(NH・VF)が22万円で売られていたらどうでしょうか。これはお金に余裕があれば、ぜひとも買いたいところです(笑)。「冠」はヒンジで整理されてしまうことが多かったようで、完璧な状態の「冠」を見ることは極めて珍しく、カタログ評価の22万円以上の値段になる場合もあるでしょう。ただしヒンジ跡のないものに見せるために、裏糊を引き直した変造品(リガム)のリスクもあるので、入手には注意が必要です。

「みほん」切手の扱いについて

冠みほん

みほん字入りの「冠」(参考価格3~5万円)

どうしても切手の上に、「みほん」(Specimen)などと書いてあると珍しい感じがします。しかし切手収集家は、郵便局員や関係者の間で出回った参考品に過ぎないという考え方を持っています。時おり「冠」のみほん字入り切手が通常の「冠」の半額程度で売られているのを目にしますが、まずは本物を手に入れてから入手することをお薦めします。

使用済の「冠」もアリ?!

冠使用済

使用済の「冠」 安東県・満5.11.8(参考価格4万円)

ちなみにガイド自身は使用済の「冠」で満足しています。一般的に使用済のほうが安く、軽く見られがちですが、消印は切手が持つ本来の役割を果たした証拠です。きれいに消印された使用済であれば、むしろ未使用よりも好んで集める人もいます。

さて、ここまで大人のための切手入門をコンセプトに解説してきましたが、さらに理解を深めていくために、次回の記事ではこれまで切手収集家に読み継がれてきた切手入門書をいくつか紹介したいと思います。
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