【不動産売買ワンポイントアドバイス No.040】

区画図

所要時間の算出地点が物件そのものとはかぎらない


不動産の広告で所要時間の算出地点がどのように定められているのか、十分には理解されていないかもしれません。

最寄り駅など各種施設への所要時間の表示基準については、不動産の公正競争規約第15条および同施行規則第10条に定められていますが、数区画が同時に分譲される「一団の宅地または建物」の場合には十分な注意が必要です。

たとえば上図のような区画のとき、最寄り駅への所要時間の算出地点となるのは、赤色の丸で示す地点です。1期と2期などに分けて分譲される場合には、それぞれの対象区分ごとに最も近い地点が使われます。

同様に、病院へは緑色、学校へは青色、スーパーへは黄色で示す地点が所要時間を算出する際の起点となります。数区画だけの分譲であればあまり違いは生じないものの、同時に数十区画が販売されるときには、購入する区画によって大きな差があることも考えなければなりません。

また、たとえば最寄り駅までの所要時間は、最も近い「駅の出入り口」までの距離をもとに算出され、決して「メインの出入り口」だとはかぎらないのです。複数の路線が乗り入れる大きな駅や、大深度の地下鉄駅などであれば、出入り口からホームまでさらに何分もかかるという場合も多いでしょう。

徒歩による所要時間は、道のりの距離80メートルにつき1分(端数は切り上げ)となりますが、信号待ちの時間は加えられないほか、途中に急な坂道や階段状の道路があったとしても考慮されません。

そもそも人によって歩く速さはまちまちであり、1分で80メートルというのは大人の足でもやや早歩きくらいの感覚ではないでしょうか。不動産広告に記載される所要時間はあくまでも大雑把な目安と考えて、必ず自分の足で歩いて確かめてみるという姿勢が大切です。

なお、1戸だけが売り出される中古一戸建て住宅などで所要時間の算出地点が問題になることはないでしょうが、新築時に「一団の宅地または建物」だった場合は要注意です。

売却の依頼を受けた不動産業者が物件概要を作成する際に手抜きをして、新築時のパンフレットなどの内容をそのまま書き写しただけのようなときには、上記のような基準がもとで所要時間が大きく違うこともあるのです。


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