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切り土・盛り土がわかる造成地マップ:東京篇(2ページ目)

東京都が都内全域の「大規模盛土造成地マップ」を公表しました。調査をした結果、現在危険な事象が生じている大規模盛土造成地はなかったということですので、今後はその状態を維持することが大切です。

井上 恵子

執筆者:井上 恵子

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東京都の大規模盛土造成地マップを見てみよう

それではこの度公開された東京都の大規模盛土造成地マップを見てみましょう(【図1】)。
大規模盛土造成地マップ(東京都全域)(出典:東京都都市整備局)

【図1】大規模盛土造成地マップ(東京都全域/クリックで拡大)(出典:東京都都市整備局


大規模盛土造成地に該当する部分が緑色に塗られています。この図より、大規模な盛土造成地は23区には少なく、丘陵地が広がる町田市、多摩市、稲城市、八王子市、日野市、青梅市などに広がっていることがわかります。

また、クリーム色に塗られている部分は「宅地造成工事規制区域」です。宅地造成を行う場合に災害が生じる恐れがある区域と考えられており、ここに該当する区域で一定以上の切土・盛土の宅地造成工事を行う時は、都知事の許可が必要になります。

 

より詳しく大規模盛土造成地マップを見てみよう

【図1】では東京都全体の状況を把握することができました。では次により詳しい情報を得るために、大規模盛土造成地に指定されている面積の大きい「町田市東部」を見てみましょう(【図2】)。

【図2】町田市東部詳細(出典:東京都都市整備局

【図2】町田市東部詳細(クリックで拡大)(出典:東京都都市整備局


この図を見ると、町田市の中でもおおよそどのあたりが大規模盛土造成地か知ることができますが、さらに詳細に知るために、ホームページ上で図の大きさをいくら拡大しても残念ながらハッキリとした境界線や形状はわかりません。

この点については該当ページのQ&Aで、大規模盛土造成地には所有者等がいるため、個々での公表は控えている、と答えています。

 

危険な造成宅地は「なし」

東京都は今回の調査で、「大規模盛土造成地に該当する造成地において、計算によって危険と確認できる造成地」及び「すでに危険な事象が発生している造成宅地」はなかった、と結論付けています。

従って、「大規模盛土造成地」(マップで緑色に塗られた部分)に該当する区域でも、今のところ安心と考えてよさそうです。しかし、今後も引き続き擁壁(ようへき)部分にハラミ出し(※)や水平亀裂、水のしみ出しなど、地滑り・崩落の前兆となる状態がないか日々注意しておく必要があります。
(※)ハラミ出し:擁壁として積んだブロックや石が外側に押し出される現象

 

全国の公表率は8.0%へアップ

今回東京都がホームページで公表したことで、全国の8.0%にあたる自治体の大規模盛土造成地マップをホームページなどで閲覧できるようになりました。盛土造成地マップを公表する意味は、土地の状態を所有者が知ることで、今後の防災に役立てようというものです。すでに盛土造成地マップが公開されている自治体にお住まいの方は、ぜひご自宅の土地について調べてみてください。

平成26年4月1日現在の調査結果の公表状態については「大規模盛土造成地の滑動崩落対策について」(国土交通省)のページにリンク集があるのでご覧ください。

【関連サイト】
大規模盛土造成地マップ(東京都都市整備局)
大規模盛土造成地の滑動崩落対策について(国土交通省)
宅地造成等規制法の概要(国土交通省)
宅地耐震化事業の概要(国土交通省)
平成26年5月1日報道発表資料(PDF)(国土交通省)

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