家づくりはハード面よりソフト面が難しい
家を建てるなら、誰もが自分の気に入ったものをつくり満足して生活したいものです。しかし完成してみると、住み心地の良し悪しといったソフト面、また設備機器や仕上げなどのハード面の両方をもっているのが家なのです。ハード面は何とかなるのですがソフト面は難しいところもあります。左官工による外壁の下地塗りの様子
家をつくるのには15種の専門業者、つまり職人が関わります。職人は、工務店がすべて社員として抱えているわけではありません。工務店の現場監督が、協力業者として、工事の流れに応じて順序良く手配していくことになります。そうするとやはり現場監督の確かな目と段取りが大切になってくるのです。
失敗しない家づくり16の原則とは
家づくりは、設計者、施工業者、と信頼を築きながらつくっていくことがやはり基本ですが、建てる側としてはどんな心構えをすればよいのか、16の原則を挙げてみました。<はじめの心構え>
- 余裕のある工期をとり、確かな資金計画をたて、万一の場合も考える。
- 失敗しない住まいづくりは、どちらかというと設備機器などハードな面が語られるが、何のために住まいをもつのかという目的をはっきり自分の中で整理しておくことが大切。
- 敷地を新たに購入する時は地盤の確認をしておく。
- 建築家には過去の作品を、施工業者にはこれまでどんなものをつくってきたのか見せてもらう。
- 割引き・サービスなどの言葉に惑わされない。
- 何事も契約する前には納得することが基本。
- 契約後の変更は避けたいので、自分の希望は性格に伝える。
- 追加工事はもちろん、設計変更も増額になることが多いという認識を持っておく。
- どうしても変更したい時は、直接職人には指示せず、設計事務所に相談し、その変更による工事費の増額の可能性について確認する。
- 口頭での約束はやめ、文書化しておく。無理でわがままな注文は避ける。
- 住宅には住んだ後のメンテナンスがあるため、できれば近くの工務店を選ぶと良い。
<着工後の心構え>
- 統計者や施工業者と信頼関係を気づく努力をする。これから長い付き合いが始まります。
- 敷地周辺の近隣の方にも挨拶をし、関係を深めておくことが大切。
- 設計図面はよく理解しているか。現場に足を運び、図面をかたちにしてくれる職人、現場監督と、出来上がっていく過程を一緒に楽しむ。
- 仕上がり材の変更などは常にメモとして残す。(昨今はメールでのやり取りが多いので安心ではあるが、メモを残す癖をつけたほうがよい)
- 竣工検査に立ち会って仕上がり具合を確認する。
現場にて、設計者と施工者の打合せ風景
ガイド佐川旭のアドバイス
欠陥住宅をつくってしまう背景には、人によるミスや無理解があるもので、主に3つ考えられます。- 職人の未熟
- デザイン優先の設計
- 施主のわがまま
もちろんこれ以外にも考えられますがやはり基本は、施主-設計者-工務店の3者が信頼関係をつくることです。信頼関係はより良いコミュニケーションから始まります。