長崎ペーロン選手権大会
ペーロンは中国から伝わってきた海神をまつる船のレースです。長崎ペーロン選手権大会は、地域別の選抜チームが長崎一を賭けて戦う迫力あるレースです。ペーロン大会が初めて行われたのは明暦元年(西暦1655年)頃で、暴風雨により難破した唐船が多数の溺死者を出したため、長崎在住の唐人たちが海神の怒りを鎮めるために競漕したのがペーロンのはじめだと伝えられています。
船には33名の若者が乗り込み、太鼓とドラの囃子に合わせ、勇ましく櫂を漕ぎます。その姿はまさに勇敢そのもの。
ながさきみなとまつりの期間に開催されますので、毎年多くの観客が訪れます。
長崎くんち
国指定重要無形民俗文化財に指定されている「長崎くんち」。長崎の氏神である諏訪神社の秋季大祭で10月7日~9日の期間に開催されます。7日を前日(まえび)、8日を中日(なかび)、9日を後日(あとび)と呼び、前日7時開始の奉納踊りで幕を開けます。
奉納踊りには、7年に1度巡ってくる踊町(おどりちょう)が、龍踊り(じゃおどり)やコッコデショ、本踊りなど各町に代々伝わる出し物を披露し、諏訪神社に特設された桟敷席や、本殿へと登る長坂(ながさか)からは「もってこーい、もってこーい」という長崎独特のアンコールの掛け声が響き渡ります。
奉納踊りが終わると、諏訪・住吉・森崎の三社の御神輿が諏訪神社から大波止の御旅所まで担がれます。
また、踊町はその後3日間、市内の家を一軒一軒まわる「庭先回り」を行い各家に福を呼び込みます。
踊町は、6月の小屋入りから厳しい練習を開始し、本番を迎えます。この期間は「仕事そっちのけ」という人も多く、会社側もそれを黙認するというところも少なくありません。
おくんちの3日間は長崎市内はシャギリの音に染まり、長崎っ子の血が騒ぐお祭りなのです。
■長崎くんち
期間:10月7日~9日
公式サイト
竹ン芸
長崎市伊良林にある「若宮稲荷神社」の秋の祭りに奉納される「竹ン芸」は、国選択無形民俗文化財(市無形民俗文化財)に指定されています。男狐・女狐の面をつけた2人の若者が、高さ10mもの2本の青竹の上で曲芸を行います。
神社の使いである男狐・女狐が裏の竹藪で遊ぶ姿を表した芸ですが、命綱も下網もない竹の上での芸は見る人を驚かせます。
竹の上で行われる芸は、カンタン夢の枕、女狐渡り、逆さ降りなど、それぞれ名前が付けられており、唐笛と締め太鼓と三味線による囃子に合わせ、時には竹を大きく振り、その迫力はまるで落ちてくるのではないかと思うほど。
竹の上からは餅まきも行われ、その最後には懐に潜ませた鶏を放ちます(鶏を取った人は縁起がいいとされています)。
芸は夜にもおこなわれ、夜空で舞う狐はまた幻想的です。
坂本龍馬が創設した亀山社中のすぐそばにある若宮稲荷神社は龍馬もたびたび参拝していたとか。龍馬もこの「竹ン芸」を見ていたのではないでしょうか。
おくんちとはまた一味違う長崎の秋の風物詩として存分に楽しめるお祭りです。
■竹ン芸
期間:10月14日~15日
場所:若宮稲荷神社(伊良林2丁目10-2)