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2014年5月のオススメ展覧会・美術展(3ページ目)

日本全国の2014年5月のオススメ展覧会・美術展を紹介。ブリヂストン美術館(京橋)描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで、三井記念美術館(日本橋)特別展 超絶技巧!明治工芸の粋、世田谷美術館(用賀)桑原甲子雄の写真、21_21 DESIGN SIGHT(六本木)企画展「コメ展」、鞆の津ミュージアム(広島県福山市)ヤンキー人類学を紹介します。

浦島 茂世

執筆者:浦島 茂世

美術館ガイド

戦前からバブル期までのまちの風景を見る
世田谷美術館(用賀):桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年

〈東京昭和十一年〉より《麹町区馬場先門 二・二六事件当時(千代田区)》undefined1936年 |undefinedゼラチン・シルバー・プリント |undefined世田谷美術  館蔵

〈東京昭和十一年〉より《麹町区馬場先門 二・二六事件当時(千代田区)》 1936年 | ゼラチン・シルバー・プリント | 世田谷美術 館蔵

戦前は、アマチュアカメラマンとして活躍し、戦後は数々の写真雑誌の編集長を務めた桑原甲子雄。1913年生まれの桑原は、21歳で中古のライカを手に入れ、下町を中心にさまざまな街の表情をメモやスケッチのように切り取り、写真に映し込んできました。晩年はふたたび撮影活動に力を注ぎ、日本の写真史に力強い足あとを残しています。

この展覧会は桑原がまちをどのように見つめてきたのかを、約200点の作品から辿る展覧会です。

〈東京暦日〉より《品川区目黒駅》undefined1989年undefined| ゼラチン・シルバー・プリントundefined|undefined世田谷美術館蔵

〈東京暦日〉より《目黒駅》 1989年 | ゼラチン・シルバー・プリント | 世田谷美術館蔵

彼の写真の大きな特徴は、淡々とした切り口。日本の歴史を変える大きな事件があった場所《麹町区馬場先門 二・二六事件当時(千代田区)》でも、バブル期のとりたてて有名ではない場所《目黒駅》であっても、人がいてもいなくても、つねに同じようなテンションで写真を撮り続けました。その期間はなんと約60年!

展覧会では東京のほか、パリや満州など桑原が撮影した他の都市の写真も展示。さまざまな視点から彼の作品を検証していきます。



ちなみに、《目黒駅》は1989年、つまり25年前の目黒駅の風景。目黒駅は現在もほぼ変わっておらず、現地に行けば同じ風景を見ることが可能です。とはいうものの、電話番号の市内局番が3ケタなこと、目黒の最寄りのビッグカメラが池袋であることなど、看板を目にすると私達の知っている現在の東京では目にすることがない情報に彩られているのがおもしろいところ。鑑賞時間に余裕を持って訪ねることをオススメします。



■DATA 世田谷美術館(用賀):桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年
展覧会名称:桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年
会場: 世田谷美術館
会期:2014年4月19日(土) ~6月8日(日)
開館時間: 10:00~18:00
※入館は閉館の30分前まで
休館日:月曜日
Web: http://www.setagayaartmuseum.or.jp/

次のページでは21_21 DESIGN SIGHT(六本木):企画展「コメ展」を紹介します。

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