2014年5月のオススメ展覧会・美術展

ゴールデンウィークが明けたあとも、刺激的な展覧会は多数開催されています。そのなかでも好奇心を刺激する展覧会をピックアップしました!

北九州最大規模のレンタル衣装店「みやび小倉本店」の服は鞆の津ミュージアムの「ヤンキー人類学」で展示中!

北九州最大規模のレンタル衣装店「みやび小倉本店」の服は鞆の津ミュージアムの「ヤンキー人類学」で展示中!


◎2014年5月のオススメ美術館-目次-
ブリヂストン美術館(京橋):描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで
三井記念美術館(日本橋):特別展 超絶技巧!明治工芸の粋
世田谷美術館(用賀):桑原甲子雄の写真 トーキョー・スケッチ60年
21_21 DESIGN SIGHT(六本木):企画展「コメ展」
鞆の津ミュージアム(広島県福山市):ヤンキー人類学


西洋と東洋の文化の華麗な融合
ブリヂストン美術館(京橋):描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで

藤島武二《女の横顔》1926-27 年  油彩・板 ポーラ美術館蔵

藤島武二《女の横顔》1926-27 年 油彩・板 ポーラ美術館蔵

展示されている絵はほぼすべて「チャイナドレス姿の女性」という、とても意欲的な展覧会がブリヂストン美術館で開催されています。

展示作品のひとつ、藤島武二《女の横顔》は、留学中に影響を受けたイタリア・ルネサンス期の様式で女性の横顔を描いたもの。しかし、なぜかモデルの彼女(のちに、竹久夢二の恋人にもなった「お葉」さんこと佐々木カ子ヨ)が着ているのは、洋服でも和服でもなくチャイナドレス。記録によると、藤島はわざわざ横浜まで行き買い集めていたそう。彼はなぜ、モデルのチャイナドレスを着せていたのでしょう?

この展覧会は、1910年代から40年代の日本人洋画家がこぞって描いた「チャイナドレス姿の女性」をテーマにした展覧会。ヨーロッパから伝えられた技法で中国服を着た女性を日本人画家が描く。キャンバスの上で東西の文化が融合したそのおもしろさを愉しむことができます。

久米民十郎《支那の踊り》1920 年 油彩・カンヴァス 個人蔵

久米民十郎《支那の踊り》1920 年 油彩・カンヴァス 個人蔵


そもそも、中国は古代から近世に至るまで、つねに日本をリードしてきたアジアの先進国でした。明治維新後、日本人は新しいあこがれの先として、ヨーロッパへ関心を向けはじめましたが、大正時代に入ってからは芥川龍之介や谷崎潤一郎が中国を題材にした小説を発表するなど、芸術の分野において、あらためて中国に目を向ける傾向が強まってきたのです。油彩画もその傾向が強かった分野のひとつ。

展覧会では、藤田嗣治や梅原龍三郎、安井曾太郎などそうそうたる画家によるチャイナドレス姿の女性像がならびます。そのなかでも印象的なのが《支那の踊り》を描いた久米民十郎。

彼は将来を嘱望されていながらも関東大震災によって30歳で夭逝した画家。当時のインタビュー記事によると、トランスした巫女さんが描いた線をもとにして絵を描いていたのだとか。裕福な家庭に生まれ、早くから外国で芸術活動をしていたため日本にあまり作品が残っておらず、これから研究が待たれる作家です。

このほか、画家たちを魅了し続けた当時のチャイナドレスも特別に展示。現在私たちが思い描いている、体にぴったりとしていて露出度も高いチャイナドレスとは異なり、ゆるやかで余裕のあるデザインであることや、地方ごとに襟の立ち具合や生地の厚さなど、様式が違いも発見できます。

ちなみに、こちらの展覧会はチャイナドレスや中国服で来場すると、割引料金が適用されます(他との割引は併用不可)。お気に入りのチャイナドレスを着ていくお出かけも楽しそうですね!


■DATA ブリヂストン美術館(京橋):描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで
(併設:ブリヂストン美術館コレクション展 - 印象派から抽象絵画まで)
展覧会名称:描かれたチャイナドレス─藤島武二から梅原龍三郎まで
会場:ブリヂストン美術館
会期:2014年4月26日(土) ~7月21日(月・祝)
開館時間: 10:00~18:00
※金曜日は20:00まで
※入館は閉館の30分前まで
休館日: 月曜日
※7月7日(月)、14日(月)、祝日は開館
Web: http://www.bridgestone-museum.gr.jp/

次のページでは三井記念美術館(日本橋):特別展 超絶技巧!明治工芸の粋を紹介します。