絶景露天のオーガニック生活提案宿
2014年5月17日(土)。Ecological&Creative&Organicを提案する雑誌「自遊人」が経営する温泉宿「里山十帖」(新潟県南魚沼市)がグランドオープンする。自遊人を主宰し館主でもある岩佐十良さんが何度も設計を練り直し、半年にわたるプレオープンで試行錯誤を重ねた結果、これまでの旅館とは一味も二味も違った宿ができた。その特長をご紹介しよう。
なんといっても、ロケーション!
巻機山を正面に望む絶景露天風呂(男女別)
正面には越後の名峰・巻機山がどっしりと構え、例えば明け方、朝焼けの中に尾根がくっきりと映える景色のなかで湯に浸かっていると、その美しさに言葉を失うだろう。天気のよい夜には天ノ川が横たわる。
里山十帖の温泉は、ナトリウム-塩化物・炭酸水素塩泉。まるで化粧水のような、つるつる・トロトロの美肌の湯だ。そんな湯に浸かり、開放感のある絶景露天風呂で過ごせば、日々の疲れも飛んでいく。(全国の絶景宿についてはこちらでも)
注目したい居住空間
玄関のある母屋は築150年の古民家。宿泊棟も築23年の秘湯の宿の躯体をそのまま使っている。しかし、まるで新築のように居住空間は快適だ。まず、隣室の声が聞こえない。周囲に何もない静かな宿だとどうしても隣室の声が聞こえてしまうものだが、ここにはこだわっている。重たいサッシの開閉音と上階の足音が遠く聞こえるのはしかたないが、館内は至って静かだ。そして、特に女性が注目するのが、アメニティだろう。オーガニックコットン100%のタオルに、ピ-プルツリーの着心地のいい館内着。魚沼産オーガニック米ぬかを原料にした洗顔せっけん、無添加の石けんシャンプーやリンス。これでも環境に配慮して最小限にとどめているという。さすが、エコロジーとオーガニックを推奨する自遊人の宿だ。(備え付けはあるが)マイ歯ブラシ等はぜひ持参したい。全館禁煙なのもうれしい。
さらに家具のセンスがいい。館内にはアート作品が飾られたり、美術館のような雰囲気もあるうえ、ラウンジに置かれたヨーロッパ直輸入のチェアは何と売り物。よいものを体感し、買って使って欲しいという自遊人流の生活提案の宿と考えてもいい。いずれラウンジの奥には家具のショップもオープンする。
もともと自遊人の岩佐さんは、旅館がやりたかったわけではない。ここで試行しているのは、「新しいインタラクティブ・メディアの枠組みづくり」。つまり、「よかったね」「おいしかったね」そうした声が広がって、よいものに囲まれた生活習慣が根づいていくことを目指しているのだ。
そのため、この宿は「主客一体」。つまり、感性が一体となれる客だけが集う宿だと思ってもいい。その代わり、はまる人はうんと「はまる」はずだ。