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子どもが「死を理解する年齢」はいつ?年齢ごとに増していく死の理解

死を理解する年齢はいつからなのでしょうか? 子供の、年齢ごとの死の理解度を把握しておくと対応しやすいものです。発達心理学や最近のイギリスの研究データを交え、子ども達の「死」への理解や死の捉え方を年齢ごとに追っていきたいと思います。

佐藤 めぐみ

執筆者:佐藤 めぐみ

子育てガイド

 

理解があいまいな乳幼児期の子供は死を理解できない? 

■0歳前半
心理学用語に「Object Permanence」という言葉があります。日本語では「対象の永続性」と訳されますが、これは、ある人や物が自分の前から「見えなくなった」としても、その人や物は「別のところに存在している」ということの認識を指します。

生まれてしばらくの間は、赤ちゃんはママが目の前からいなくなってしまうと泣いてしまうことがよくあります。あれは、この「対象の永続性」がまだ発展途上中だからでもあるのです。赤ちゃんにとっては、目に見えるものが全て。大切なママが視界から見えなくなると「消えてしまった」と認識しまうのです。

■0歳後半
しかし、9~12ヶ月になると、いなくなったとしても、「ママはちゃんと存在している」と認識できるようになります。つまり、キッチンでお料理をしている、別の部屋で洗濯物をたたんでいる、と少し離れていても、ママはいなくなったわけではないという感覚がついてきます。「対象の永続性」が習得できた証です。

しかし、この段階での永続性は「生命の存続」という深い意味合いはありません。それよりは、赤ちゃんにとって、もっと現実的な場へと反映されていきます。それは「人見知り」。「対象の永続性」のおかげでママへの信頼感、安心感が増す一方、ママとそれ以外の人をしっかりと区別できるようにもなるため、この時期、人見知りという現象が起こります。

■幼児期 (1~3歳)
もう少し大きくなると、我が子と一緒に遊んでいて、ぬいぐるみのクマやおもちゃの機関車をまるで生きているように扱っている様子に気づくことがあると思います。幼児期は、全ての物に命があるという感覚をもっているもの。そしてその判断は、動いているか、動いていないか、という単純なものだったりします。

大枠で言えば、「動いているか、否か」という判断は確かに正しいのですが、小さな子にとっては、眠っていることとの区別はついていません。実際、「死ぬ」という動詞を覚えて使うこともあるかもしれませんが、その段階で使っている意味合いは眠っていることと相違はありません。

それでは、子供達が「死」の本当の意味を理解するのは何歳くらいなのでしょうか?
 

子供が死を理解する年齢は? イギリスの研究データを見てみよう

これまでの海外の研究では、7歳過ぎくらいになると、体の機能を踏まえた死の意味を理解できるようになるとされてきました。しかし、最近のイギリスの研究で、子供達はもっと早くから死の本当の意味を理解していることが分かってきたのです。

その研究では、4~7歳の子供達188人を対象に、生命を維持させる身体機能について、どれくらい理解しているかを調査しました。

その結果、4~5歳の子の半分以上と6~7歳の子のほとんどが、内臓の機能を理解しつつ、生命がどうやって維持されるのかを説明することができ、年齢が上がるごとに、内臓の場所や機能などについても理解を深めていました。つまり、4~7歳の時期に、子供達は、それまでの「死=眠る」の解釈から、飛躍的に理解を深めることが分かったのです。
 

大人は現実をごまかさない分、しっかりと子供を支えてあげよう

 
命の大切さを一緒に感じたい

命の大切さを一緒に感じたい

早く理解をし始めるということは、親も早くからしっかりと気を配ってあげる必要があるということ。死という現実は、実際、4~7歳の子供達が理解するには重い内容なので、心に負担がかかるからです。

お子さんからの質問に対し、ありのままをそのまま答えてあげたなら、その分、支えてあげることが大切です。「死」の意味を知るということは、裏を返せば、命の大切さを知る機会でもあります。手をつなぐと温かいこと、ぎゅっと抱きしめると柔らかいこと。そんな1つ1つの行動にママ自ら感謝して過ごせば、その思いは必ずお子さんに伝わります。今ある命を大切にすることを一緒に感じていきたいですね。


*出典: Developmental Psychology (2014) 「Cultural influences on children's understanding of the human body and the concept of life」より

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※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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