販促プロモーション/販促・プロモーションの基礎知識

会社案内のポイント その1 会社案内の目的

会社案内は使い方によって商談を進める大きな武器となります。今回はさまざまな目的別に、どのような会社案内が必要となるのかについてご紹介します。

横井 孝治

執筆者:横井 孝治

介護・販促プロモーションガイド

私が、起業を考えている人から「とりあえず作ろうと考えている」と相談される主な販促ツールは、下記のようなものです。

  • Webサイト
  • 名刺
  • チラシ
  • 会社案内

相談者の方とお話しするなかで私がよく感じるのが、「目的が明確になっていない」ということ。

私自身は、Webサイトは「コンバージョンを獲得する」、名刺は「初めて会う商談相手に自分を売り込む」、チラシは「(主として)見込客を獲得する」ことであると考えており、そのようにアドバイスしています。しかし、上記の4つの販促ツールのなかで、目的が一番あいまいになりがちなのが会社案内です。

今回は、会社案内の目的などについてご紹介します。
 

会社案内をどのフェーズで活用するのか?

会社案内は企業にとっての自己紹介ツールです

会社案内は企業にとっての自己紹介ツールです

まず最初に、販促&営業のフェーズにおいてどのタイミングで会社案内を使うのかを考えましょう。どのような会社案内が必要となるのかが、自然とわかってくるはずです。

■フェーズ1.認知
自社や商品、サービスそのものの存在や特長を知ってもらう時期。まだどこにいるかもわからない見込客に対して、会社案内を渡す手段もないので、会社案内を考えるうえではこのフェーズを無視しても構いません。

■フェーズ2.初期商談
この時期は、見込客の獲得とその後の商談への橋渡しを行うことが第一です。テレアポや、メールでのコンタクトしか行っておらず、直接会えていない場合も少なくありません。

こうした時期にボリューム感たっぷりの会社案内を渡したところで、あまり効果が無いどころか、逆効果になってしまうこともあります。

例えば、何かのパーティーなどで初めて会ったばかりの相手が、自分のことばかり延々と話し続けてくるシチュエーションを想像してみてください。あまり愉快な気持ちにはならないはずです。

初期商談時に会社案内を渡すのなら、4~8ページ程度のシンプルなものがふさわしいと思います。

■フェーズ3.継続商談
実際に商談を進め、自社や商品、サービスについての興味&関心レベルを上げていく時期です。商談がある程度前に進んでいるということは、見込客として自社にもある程度の興味を感じてくれているはず。

この時期に使用するための会社案内なら、ある程度まで情報量が増えてもちゃんと目を通してもらえる可能性があります。自社の信頼度を高められるような会社案内作りを心がけましょう。

■フェーズ4.クロージング
フェーズ1~3までの相手が直接決裁者である場合や、既に一度でも取引を行った相手と商談している場合は、このフェーズは無視しても構いません。

しかし相手が新規の見込客で、なおかつ担当者およびその上長との商談しか行っておらず、最終決裁者が別にいる場合、会社案内には重要な役割が発生します。それは、新規に取引を行うに足るだけの信頼感のある会社であることを決裁者に伝えるというもの。

既に何回かの商談を通して、担当者たちの信頼を勝ち得た状態になっていたとしても、最終決裁者からすれば初対面。直接、最終決裁者に会うことすらできず、担当者たちから社内プレゼンの形で稟議が上げられるケースも多々あります。

こうしたとき、商品やサービスのベネフィットなどは、提案書や事例集といった別の販促ツールで伝えたとして、「ちゃんとした会社」感を伝えるためには、企業の自己紹介ツールである会社案内が、しっかりとした見た目のものであることが大きな意味を持ちます。要するに、「初対面の偉い人の前では身なりに気をつけよう」といったことですね。

■フェーズ5.フォロー
購入・契約してくれた顧客の満足度を高め、リピートおよび他の顧客の紹介へと誘導する時期。企業としての自己紹介は十分すぎるほど終わっているので、会社案内を考えるうえではこのフェーズは無視しても構いません。
 

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