骨盤骨折とは
骨盤は体幹を構成する骨で、腸骨、恥骨、坐骨が結合してできる寛骨(かんこつ)、仙骨、尾骨で構成されています。骨盤を構成する骨は、腸骨、坐骨、恥骨、仙骨、尾骨です。
転落、交通事故、スポーツなどの高エネルギー損傷に伴い骨盤骨折が発生します。特に転落が一番多い原因です。
骨盤骨折の年齢、性差
転落、交通事故などではあらゆる年齢で発生しますが、男性に多く発生します。比較的若年者に多く見られます。骨盤骨折の症状
骨折した部位の腫脹、疼痛です。通常初期から激痛となることが多く、救急車で病院に搬送されることも多いです。歩行は通常は不可能です。骨折に伴い動脈損傷を合併すると血圧が低下し、ショック状態となります。骨盤骨折の診断
■単純X線単純X線写真は放射線被爆量も少なく、費用もわずか。その場で撮影も終了し当日説明をうけられるので、整形外科では必ず施行します。
骨盤単純X線像。骨盤骨折が認められます。
■CT
単純X線で診断がつかない場合でもCTであれば診断可能です。
骨盤単純3次元CT像。多数の骨折が認められます。
骨盤骨折の治療法
骨盤骨折の治療としては、まずは全身状態の安定をはかります。ショックを伴う出血に対しては手術でなく血管造影を施行します。■動脈塞栓術
血管造影を行い出血部位が同定できた時は有効な治療法です。
骨盤動脈造影像。骨盤骨折に伴い内腸骨動脈の損傷が見られます。
■骨折観血的整復固定術
骨盤に安定性がない場合手術で骨盤を安定化させます。安定性がある場合安静で骨治癒を期待します。
創外固定器による骨盤骨折の固定。