アイシン製8ATの完成度も高い
従来型のT5エンジンと比較すると、5ps/30Nm向上しながら燃費はS60が14.6km/L、XCC60が13.6km/Lに向上。S60/V60 T5は75%減税対象車、XC60 T5はボルボ初の100%減税車になっている。潜在ユーザーとしては、出力も燃費もアップとなれば魅力的な選択肢といえるだろう。もうひとつの目玉である8ATの完成度も高い。シフトフィールは滑らかだし、とくに重量のあるXC60は、もちろんトーイング性能が求められることもあるが、流行りのDCTよりもコンベンショナルなATの方が相性の良さを感じさせる。
注文をつけるとすると、アイドリングストップの再始動時の振動が少し大きめなのと、電動パワーステアリングの人工的な味付けだろう。
多彩なエンジンも魅力
なお、S60/V60は1.6Lターボの「T4」、3.0Lの直列6気筒ターボの「T6」、XC60の直列6気筒ターボの「T6」もラインナップとして残されているので、選択肢が増えたのも朗報だろう。S60/V60は、BMW3シリーズやメルセデス・ベンツCクラス、アウディA4など強豪揃いだし、XC60はX3やQ5などこちらも手強い相手が揃っているが、パワートレーンの洗練度に関してはトップクラスにあるし、ボルボならではの北欧デザインにクールさを感じれば魅力的な選択肢になるはずだ。