2012年にユネスコ世界遺産に指定されたバリ島の観光地
インドネシアの世界遺産といえば、ジャワ島にあるボロブドゥール遺跡が有名でしたが、ついに2012年にバリ島初の世界遺産が誕生しました。今回登録されたバリ島の世界遺産は、ユネスコの日本語訳で【バリ州の文化的景観: トリ・ヒタ・カラナ哲学に基づくスバック灌漑システム】。特定のひとつの建築物が……ということではなく、下記の5つのエリアをひとくくりに、登録されました。これらは、広範囲に渡るバリ島の4つの県にそれぞれあります。- ペクリサン川流域のスバック景観
- バトゥカウ山保護地区スバック(棚田)の景観(ジャティルイ村の棚田)
- ウルン・ダヌ・バトゥール寺院
- バトゥール湖
- タマン・アユン寺院
世界遺産地図:ペクリサン川流域(ギャニャール県)、バトゥカウ山保護地区ジャティルイ地区(タバナン県)、ウルン・ダヌ・バトゥール寺院&バトゥール湖(バンリ県)、タマン・アユン寺院(バドゥン県)
「スバック」って何のこと?
スバックについて、もっと勉強したい場合は、タバナン県にあるスバック博物館を訪れるとよいでしょう。バリの水利組合スバックの仕組みや農業に関する資料や道具などを展示されています
9世紀から続いてきたバリ島の水利組合である「スバック」。スバックはバリの農民で構成され、水源から流れてきた水をダムのような場所で貯水し、それを均等で公平に配分するシステム。そして同時に、スバックごとに寺院を持ち、水の神や稲の神様への崇拝や、水田に関わる宗教行事を行ったりもします。
スバックのシムテムは「トリ・ヒタ・カナ」の哲学(宇宙観)を元に作り上げられ、また維持されています。「トリ・ヒタ・カナ」とはサンスクリット語の「トリ(3)」「ヒタ(幸せや喜び」「カラナ(理由や原因)」を表します。神と人、人と人、人と自然という三者を調和を重視するバリ・ヒンドゥー教の哲学です。
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■Subak Museum(スバック博物館)
住所:Jl.Gatot Subroto.Sanggunlan
TEL:0361-810315
営業時間:月~木・土 8:00~17:00/金 8:00~13:00
絶景の棚田の景色、ジャティルイ
世界遺産のモニュメントも建立され、眼下に広がる複雑な曲線を描いた棚田の広大な景色は圧巻です
ウルンダヌ・バトゥール寺院とバトゥール湖
この周囲はキンタマーニ高原と呼ばれ、バトゥール山とカルデラのバトゥール湖を望む、バリ島随一の景勝の地。バリ島に来たならば必ず一回は案内される有名な観光地。沿道のにある展望の良いレストランではインドネシア料理のビッフェスタイルのランチを食べる事ができる
水田の祭り事ではこの寺院への参拝も行われます。寺院は活火山であるバトゥール山の1926年の噴火後に現在の場所に建立されました。
ウルンダヌ・バトゥール寺院からバトゥール湖を望む周囲はバリ島の観光地の中でも必見のキンタマーニ高原と呼ばれます。日本語ガイドさんがふざけて「キンタマ ニ高原」とわざと強調して女性のお客様を赤面させるお得意のジョークも有名です。定番ツアーでは必ず訪れる観光地。カルデラのバトゥール湖を眼下に眺めながら、インドネシア料理のビュッフェ・スタイルのランチをいただくルートが組み込まれることが多いです。日本人はあまり訪れませんが、バトゥール湖の畔には温泉のプールがあるホテルもあり、欧米人のお客さんがのんびりと過ごしています。キンタマーニ高原まではウブドから小1時間ほどで到着できます。
メルーが美しいタマン・アユン寺院
整然と並ぶメルの様子は神々しく、記憶に残る風景
タマンアユン寺院を訪れる観光ルートは、ウブド周辺で観光を終えた午後に組み込まれることが多いと思います。そしてタマンアユン寺院見学の後はタナロット寺院での夕日観賞と組み合わされます。お寺好きのお客様にも喜ばれるルートです。
紹介した世界遺産見所スポットは丸一日で全てを巡る事が出来ます。世界遺産を巡るディープな旅を計画してみてはいかがでしょうか?